<新興国eye>前週のインド株、中銀の追加利上げや国内景気懸念などを受け反落=BRICs市況

新興国

2022/12/12 9:05

 前週(5-9日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の9日終値は前日比0.62%安の6万2181.67、週間ベースでは2日終値比1.10%安と、反落した。

 週明け5日は指数が下落。7日まで4営業日続落した。8日は反発。

 週前半は、インド準備銀行(中銀)の金融政策決定会合を間近に控え、積極的な買いが抑えられる中、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。また、中国が新たに複数の都市でコロナ規制を緩和し、ゼロコロナ政策を事実上、緩和する動きを強めたことを受け、原油価格が上昇したことも嫌気された。インドは世界3大原油輸入国の一つとして知られ、原油高は懸念材料となる。その後は、欧米株安を嫌気し、売りが一段と強まった。米国の経済統計が強い結果となったことで、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ継続が長期化するとの思惑が強まったことや、インドの7-9月期企業収益が対GDP比3.48%に低下したことも売り材料となった。

 週後半は、インド準備銀行が0.35ポイントの追加利上げを決め、タカ派(インフレ重視の強硬派)寄りのスタンスを示したことや、世界景気の後退を受け、インドの23年度の成長率見通しを6.8%増に下方修正したことが嫌気され、売りが優勢となった。その後は、政府が鉄鋼・医薬品などの輸出促進策を発表したことを受け、これらのセクターが物色され、上げを主導したほか、中国が新たにコロナ規制の緩和措置を発表したことや、グジャラート州の地方選挙でモディ首相が率いる与党・インド人民党(BJP)が勝利したことも買い材料となった。

 週末9日は反落。利食い売りが広がった。特に、IT大手HCLテクノロジーズが急落し、下げを主導した。同社は23年度の売上高が前年比13.5%増と、予想のレンジ(13.5-14.5%増)の下限になる可能性が高いと指摘したことが嫌気され、同業大手のテック・マヒンドラとインフォシスも売られた。

 今週(12-16日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内の景気動向、主要企業ニュース、FRBの金融政策決定会合(14日)も注目される。主な経済指標の発表予定は、12日の10月鉱工業生産と11月CPI(消費者物価指数)、14日の11月WPI(卸売物価指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:モーニングスター社

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