昭栄薬品の藤原佐一郎社長、IR説明会動画で成長戦略を語る

株式

2022/12/14 16:30

 昭栄薬品<3537.T>が個人投資家向けIR説明会動画を公開し、代表取締役社長の藤原佐一郎氏が今後の成長戦略を語った。

 当社はオレオケミカル、界面活性剤の仕入れ販売を主とした化学品事業、家庭用洗浄剤中心の日用品の企画・仕入れ販売を主とした日用品事業、地盤改良やコンクリートの補修補強材料の仕入れ販売を主とした土木建設資材事業の、3セグメントで事業展開している。化学品事業に関しては、高度な専門性、圧倒的な情報力を活用し、顧客へ高付加価値なソリューションを提供しており、同事業の22年3月期の売上構成比は約90%。残り10%が日用品事業と土木建設資材事業となっている。

 創業は1937年12月で、51年には花王<4452.T>、当時は花王石鹸(せっけん)から化学品部門の商品として脂肪酸の販売を開始した。その後、花王とは約70年以上のお付き合いとなっており、現在では当社の仕入れ金額の約40%を花王の商品が占める。また、花王以外の仕入れ先も400社強ある。

 化学品事業はオレオケミカルを中心に展開中。オレオケミカルとは、パーム、ヤシ、パーム核油など、主に植物系の天然油脂を原材料とした油脂化学品の総称をいう。花王が海外工場で生産したオレオケミカルを当社扱いで、国内の中間加工メーカーに販売している。さらに、そこで生産された界面活性剤などの中間加工品をトイレタリー、化粧品、医薬品、潤滑油など最終商品を作るメーカーに販売する。

 このように、オレオケミカルに関しては川上から川中、川下というかたちですべてに関わっていることから、情報が当社に一元化されている。これを基に、花王、中間加工メーカー、最終商品メーカーなど、さまざまなメーカーへ情報提供することで、よりよい販売活動につなげている。

 23年3月期の第2四半期累計(4-9月)決算は連結売上高126億1600万円(前年同期比26.2%増)、営業利益3億1000万円(同2.9倍)だった。第2四半期累計としては、売上高、利益とも過去最高の実績となった。海外経済の回復に支えられ、特に化学品事業が好調。原料油脂(天然油脂相場価格)の価格上昇もあって、販売価格も高値水準で推移した。

 通期業績は売上高238億8300万円(前期比12.9%増)、営業利益4億1600万円(同37.9%増)を見込む。期初予想(売上高205億5500万円、営業利益2億6100万円)から上方修正し、過去最高の売上高、営業利益を目指す。配当は安定配当および配当性向25%以上を目標としており、期末一括配当(普通配当)予想については従来の24円から32円に引き上げた(前期の期末一括配当は普通配当24円、特別配当18円)。

 一方、SDGsに関する取り組みに注力。具体的には、本社オフィス、テナント向け部分を含む自社ビルの照明をLED化した。また、SDGsの支援を手がける学生ベンチャー企業のPlalaと連携し、RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)の啓発活動も行っている。SDGsをより積極的に取り組むために推進チームも立ち上げた。さらに、化学品ビジネス、原材料だけの活動では少しもったいないということから、環境ソリューション、脱臭ソリューションも展開している。

提供:モーニングスター社

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