PXBの島田卓社長、「今後はNASH、核酸医薬品などの分野に注力。業績予想達成に自信」

株式

2022/12/19 9:51

 フェニックスバイオ(PXB)<6190.T>は12月12日、会社説明会動画を公開し、代表取締役社長の島田卓氏が今後の成長戦略を語った。

 同社は、独自開発でマウスにヒトの肝細胞を移植して作製したヒト化実験動物「PXBマウス」「PXB-cells」を生産、直接顧客に販売するほか、製薬企業、研究機関、大学などから受託した試験サービスを展開。同時に、これらのマウスや細胞を使って製薬企業、大学などと共同研究を行っている。

 ヒトに対する有効性と安全性を予測することができるという特性から、「PXB-cells」は比較的早期の探索段階、「PXBマウス」は非臨床試験の段階でヒトへの評価が可能なため、臨床試験に至ってから開発が中止してしまうというリスクを低減することができるという。「PXBマウス」が必要とされる理由について、再現性を担保していること。特殊な実験動物であっても、必ず同じ品質のものを常に提供し続けることができなければならないが、製薬企業が求める品質に対し、同社は創業当時から設備、人の教育に資金を投入し、今では広島の本社、カナダの子会社合わせて年間4000匹以上の「PXBマウス」を提供できる環境、施設を整備し、多くの製薬企業から信頼を獲得してきたとした。

 同社はターゲットを海外の製薬企業に向けており、カナダ子会社で、「PXBマウス」と「PXB-cells」を現地生産、米ニューヨークには海外営業部隊を置き、北米、ヨーロッパ、アジアでも営業活動を行っている。

 今後の展開領域については、薬効薬理分野でNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)、安全性の分野で次世代医薬品とされる核酸医薬品を標ぼう。NASHはアルコールを飲んでいないにもかかわらず脂肪肝になり、重症化すると肝硬変や肝がんに進行していく。同社のPXBマウスの場合は肝臓がヒトの肝細胞でできているため、通常の動物類では見られないような変化を再現できる。核酸医薬品では、PXBマウスの肝臓の中にヒトのDNA(デオキシリボ核酸)が入っていて、そこからRNA(リボ核酸)が転写されて働いているため、ヒトをターゲットにした核酸医薬品を直接評価することができるとした。

 23年3月期第2四半期累計(22年4-9月)の連結業績は、売上高11億3500万円(前年同期比78.0%増)、営業損益3億6700万円の黒字(前年同期は1億3300万円の赤字)に転換。売り上げ好調を受け、営業利益、経常利益も前期から大幅に改善されている。23年3月期連結業績予想は、売上高17億5100万円(前期比32.2%増)の予想を達成できると自信を見せた。

提供:モーニングスター社

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