米10月S&PコアロジックCS住宅価格指数、前年比9.2%上昇―7カ月連続で減速

経済

2022/12/28 8:56

<チェックポイント>

●主要20都市圏の前年比は6カ月連続の減速―市場予想ほど減速せず

●マイアミやタンパの伸びは20%割れも視野に

●S&P、「住宅価格は引き続き減速する」と予想

 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が27日に発表した10月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(季節調整前)は、一戸建て中古住宅の価格動向を示す総合指数である全米住宅価格指数が前月比0.5%低下の298.99と4カ月連続の低下。季節要因を無視できる前年比は9.2%上昇となり、7カ月連続で減速した。

 市場が最も重視している主要20都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比0.8%低下の303.86と4カ月連続で低下し、前年比は8.6%上昇と6カ月連続の減速となったが、前年比は市場予想の平均値である8.0%上昇を上回った。

 主要10都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比0.7%低下の315.13と4カ月連続の低下となり、前年比は8.0%上昇と6カ月連続の減速となった。

 都市別の前年比では、マイアミが21.0%上昇と最も高い伸びとなり、タンパが20.5%上昇で続く。この2都市は7月まで伸びが30%を超えていたが、20%割れも視野に入った。

 このほか、シャーロットは15.0%上昇、アトランタは14.9%上昇、ダラスは13.5%上昇、フェニックスは9.6%上昇、ラスベガスは9.4%上昇、ロサンゼルスも9.4%上昇、大都市ニューヨークは9.3%上昇。他方、デンバーは7.9%上昇、サンディエゴは7.5%上昇、シアトルは4.5%上昇、サンフランシスコは0.6%上昇となった。

 S&P500指数を運営しているS&Pダウジョーンズ・インデックスのマネージング・ディレクター兼指数管理担当責任者であるクレイグ・ラザラ氏は今後の見通しについて、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げで住宅購入を希望する者の取得能力が回復していないとしたうえで、「現在の厳しいマクロ経済の状況を考えると、住宅価格は引き続き減速する可能性がある」と見ている。

提供:モーニングスター社

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