<新興国eye>前週のインド株、米利上げ継続観測を受け反落=BRICs市況

新興国

2023/1/10 9:11

 前週(2-6日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の6日終値は前日比0.75%安の5万9900.37、週間ベースでは12月30日終値比1.55%安と、反落した。

 週明け2日は指数が反発。翌3日も続伸した。4日は反落。5日も続落した。

 週前半は、手掛かり材料難で方向感のない取引となる中、鉄鋼大手タタ・スチールや自動車大手のマヒンドラ・アンド・マヒンドラ(M&M)とタタ・モーターズ、複合企業大手リライアンス・インダストリーズが上昇し、買いが優勢となった。米証券会社が金属セクターの投資判断を引き上げたことも支援材料となった。その後は、欧米市場が堅調となったことや、23年度予算の発表(2月1日)を控え、景気回復期待から買いが強まった。また、22年の国内EV(電気自動車)販売台数が100万台を超えたことも支援材料となった。

 週後半は、FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC議事録の公表待ちとなる中で、売りが優勢となった。FRBのタカ派(インフレ重視の強硬派)が強調されるとの懸念が背景。また、タタ・スチールやタタ・モーターズ、リライアンス・インダストリーズなどが売られ、下げを主導。その後は、FOMC議事録で予想通り、23年も利上げを継続するタカ派姿勢が強調されたことを受け、売りが優勢となった。個別銘柄では金融大手バジャジ・フィンサーブが急落、下げを主導した。22年末時点の運用資産残高(AUM)が前年比27%増の2.3兆ルピーとなったものの、伸びが市場予想を下回ったことが嫌気された。

 週末6日は3日続落。米雇用統計が発表され、雇用の伸びが鈍化したものの、市場予想を上回る強い結果となったことを受け、米利上げが23年も継続するとの見方が強まり、外国人投資家の売り越しに押された。

 今週(9-13日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、中国のコロナ感染拡大、米中関係、インド国内の景気動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は12日の11月鉱工業生産と12月CPI(消費者物価指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:モーニングスター社

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