日経平均は282円高と大幅に4日続伸、米国株高で広範囲に買い―ハイテクセクターなど上昇=11日前場

 11日前場の日経平均株価は前日比282円00銭高の2万6457円56銭と大幅に4営業日続伸。朝方は、広範囲に買いが先行した。警戒されていた10日のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演で、金融政策への言及がなかったため、安心感から同日の米国株式が上昇。この流れを受け、先物買いを交えて上げ幅を拡大し、一時2万6479円99銭(前日比304円43銭高)まで上伸した。その後は一服商状ながら、前引けにかけて高値圏で推移した。

 なかで、ファーストリテ<9983.T>、ファナック<6954.T>、東エレク<8035.T>など日経平均寄与度の高い値がさ株がプラス寄与度上位に並んだ。東証業種別株価指数(全33業種)では、精密、電機のハイテクセクターをはじめ鉄鋼、石油石炭製品など31業種が上昇。東証プライム銘柄では全体の84%が値上がりした。

 東証プライムの出来高は4億8951万株、売買代金は1兆2183億円。騰落銘柄数は値上がり1546銘柄、値下がり229銘柄、変わらず60銘柄。

 市場からは「FRB議長の講演が無風通過となり、安心感が広がるとともに、米CPI(消費者物価指数)が弱めの数値になることへの期待感もプラス要因として働いている。もっとも、米CPIが予想通り低下すれば、米金利低下期待につながり、円高が進む要因として意識され、日本株にとってはマイナスに作用することにもなる」(銀行系証券)との声が聞かれた。

 業種別では、HOYA<7741.T>、ニコン<7731.T>、島津製<7701.T>などの精密株や、ソニーG<6758.T>、安川電機<6506.T>、富士通ゼネラル<6755.T>などの電機株が堅調。日本製鉄<5401.T>、JFEHD<5411.T>、中山鋼<5408.T>などの鉄鋼株や、ENEOS<5020.T>、出光興産<5019.T>、コスモエネH<5021.T>などの石油石炭製品株も高い。野村<8604.T>、大和証G<8601.T>、マネックスG<8698.T>などの証券商品先物株も値を上げ、川崎汽<9107.T>、郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>などの海運株や、三井物産<8031.T>、住友商<8053.T>、三菱商<8058.T>などの卸売株も買われた。

 半面、JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株がさえず、日本紙<3863.T>、大王紙<3880.T>などのパルプ・紙株も安い。

 個別では、フィルC<3267.T>、インフォMT<2492.T>、三光合成<7888.T>、バリューHR<6078.T>などが値上がり率上位。半面、テノHD<7037.T>、キユーピー<2809.T>、エスプール<2471.T>、MRO<3064.T>などが値下がり率上位。

提供:モーニングスター社

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