米12月コアCPI、前月比0.3%上昇―前年比は5.7%上昇に鈍化

経済

2023/1/13 9:14

<チェックポイント>

●全体指数は前年比6.5%上昇―市場予想と一致

●シェルター価格上昇も、食品やエネルギーの伸びが鈍化

●フィラデルフィア連銀総裁、2月以降は0.25ポイントの小幅利上げが望ましいと指摘

 米労働省が12日に発表した12月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.3%上昇となり、3カ月ぶりに伸びが加速したが、市場予想の平均値である0.3%上昇と一致。前年比は5.7%上昇と、3カ月連続で伸びが縮小し、これも市場予想と一致した。

 また、エネルギーと食品を含めた全体指数(季節調整後)は前月比0.1%低下、前年比6.5%上昇と、いずれも市場予想と一致した。

 前月比では、家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格(家賃・宿泊費)が0.8%上昇と、22年10月以来2カ月ぶりの高い伸びとなった。このうち、ホテル宿泊料が上昇に転じている。帰属家賃(OER)や賃貸住宅の家賃も高い伸びとなった。

 輸送サービスも前月の0.1%低下から0.2%上昇、メディカルケアサービス(処方せん代や病院治療費)が前月の0.7%低下から0.1%上昇と、それぞれ上昇に転じている。アパレルは0.5%上昇と、2カ月連続で上昇した。

 エネルギー全体では前月比4.5%低下と、2カ月連続で低下し、前月の1.6%低下を大きく上回った。原油価格の急落で、ガソリンや重油が急減速した。都市ガス料金や電気料金は上昇した。

 食品は0.3%上昇と、5カ月連続で減速した。外食価格、自宅調理用の食品ともに伸びが弱まっている。

 前年比では、シェルター価格が7.5%上昇と高い伸び。輸送サービスも14.6%上昇と、大きく伸びた。一方、新車、中古車、コモディティ(食料とエネルギーを除く国際相場商品)、アパレル、メディカルケアサービスは、いずれも伸びが鈍化した。

 食品は10.6%上昇と、5カ月ぶりの低い伸びとなり。エネルギーは13.1%上昇と、5カ月連続で鈍化した。エネルギーは、ガソリン価格の伸びが大きく鈍化している。燃料油、電力、都市ガスも減速している。

 市場では、2月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25ポイントの利上げを見込んでいるが、当分の間は利上げサイクルが続くとみている。

 12月CPIの発表後、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が講演で、インフレが低下に向かっているとし、2月以降のFOMCでは0.25ポイントの小幅利上げが望ましいとの考えを示したが、政策金利は最終的に5%をやや超える可能性が高いとみている。

提供:モーニングスター社

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