<新興国eye>前週のインド株、外国人の買い越し転換や政府の減税措置を受け続伸=BRICs市況

新興国

2023/1/23 9:05

 前週(16-20日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の20日終値は前日比0.39%安の6万0621.77、週間ベースでは13日終値比0.60%高と、続伸した。

 週明16日は指数が反落した。翌17日は反発、18日まで続伸した。19日は反落。

 週前半は、外国人投資家の売り越しが15営業日連続となり、地合いが悪化、売りが優勢となった。22年12月WPI(卸売物価指数)が前年比4.95%上昇と、11月の同5.85%上昇や市場予想(5.6%上昇)を下回り、約2年ぶりの低い伸びとなり、足元の景気後退懸念が強まったことが背景。その後は、政府が原油や航空燃料に課しているウィンドフォール・タックス(臨時利得税)の引き下げを決めたことや、大手企業の大半が今年の景気見通しに楽観的な見方を示したことが好感され、買いが優勢となった。複合企業大手リライアンス・インダストリーズと金融大手HDFC銀行、傘下の住宅ローン大手ハウジング・デベロップメント・ファイナンス(HDFC)が上げを主導。

 週後半は、海外株高や、外国人投資家が買い越しに転換したことが好感され、買いが一段と強まった。鉄鋼大手タタ・スチールやIT大手ウィプロ、通信大手バーティ・エアテルなどが上げを主導。その後は、FRB(米連邦準備制度理事会)傘下の地区連銀総裁2人が講演で、利上げ継続のタカ派(インフレ重視の強硬派)発言を行ったことを受け、リスク回避の売りが優勢となった。また、ソフト世界最大手の米マイクロソフトが約1万人のレイオフを発表、オンライン小売り大手アマゾンも1万8000人のレイオフを計画しているため、インドの労働市場にも悪影響が及ぶとの懸念も売り材料となった。

 週末20日は続落。消費財大手ヒンドゥスタン・ユニリーバが急落、下げを主導。親会社のユニリーバに対して支払うロイヤルティーの増額が嫌気された。世界景気後退懸念を背景に、リライアンス・インダストリーズや塗料最大手アジア・ペインツ、ソフトウエア輸出大手インフォシスも急落、相場を押し下げた。

 今週(23-27日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、中国のコロナ感染拡大、米中関係、インド国内の景気動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定はない。26日は「共和国記念日」の祝日で休場となる。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:モーニングスター社

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