<新興国eye>前週のインド株、外国人の売り越しやルピー安、アダニ株急落を受け反落=BRICs市況

新興国

2023/1/30 9:06

 前週(23-27日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の27日終値は前日比1.45%安の5万9330.9、週間ベースでは20日終値比2.13%安と、反落した。

 週明け23日は指数が反発。翌24日も続伸した。25日は反落。26日は「共和国記念日」の祝日で休場だった。

 週前半は、海外株高が好感され、インド市場でも買いが優勢となった。23年度予算に一部業種向けの減税策が盛り込るとの観測や、米利上げペースの減速期待も買い材料となった。ICICI銀行やコタック・マヒンドラ銀行が好決算を受けて急伸、上げを主導。その後は、主要企業の好決算期待で、自動車大手タタ・モーターズやマルチ・スズキ・インド(MSI)が急伸、上げを主導。また、米株市場でハイテク株が大幅高となったことも好感され、引き続き買いが優勢となった。

 週後半は、23年度予算案の発表(1日)やFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合(1日)を控え、買いが慎重となる中、外国人投資家の売り越しが続いたことや、通貨ルピー安の進行が嫌気され、売りが優勢となった。複合企業大手リライアンス・インダストリーズの決算が不調となり、下げを主導した。

 週末27日は続落。休場(26日)明け後の取引は、複合企業大手ゴータム・アダニ・グループ傘下の銘柄が急落し、下げを主導した。金融取引や会計に関する不正行為を調査し、空売りを仕掛けるショート・セラーの米ヒンデンブルグ・リサーチがアダニの会計や株価操作に関するリポートを公表、アダニの傘下企業が多額の負債を抱えていることを明らかにしたことや、インド証券取引委員会(SEBI)もアダニに対し、調査を開始するとの一部報道を受け、リスク回避の売りが優勢となった。

 今週(1月30日-2月3日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、中国のコロナ感染拡大、米中関係、インド国内の景気動向、主要企業ニュース、23年度予算案の発表(1日)、FRBの金融政策決定会合(1日)も注目される。主な経済指標の発表予定は31日の12月財政収支と12月インフラ部門生産高、1日の1月日経インド製造業PMI(購買担当者景気指数)、3日の1月日経インド非製造業PMIなど。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:モーニングスター社

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