<新興国eye>トルコ中銀、外貨の本国送金を支援する措置導入へ

新興国

2023/2/1 8:51

 トルコ中央銀行は先週(1月26日)、国内企業、特に、外貨を稼ぐ輸出業者と観光業者に対し、外貨建て利益の本国送金を支援するため、外貨から自国通貨トルコリラへの交換を加速させるインセンチブ(奨励策)を新たに導入する方針を明らかにした。

 この措置は、輸出業者や観光業者らが海外で稼いだ外貨の一部を中銀に売却する際、一定条件を満たせば、リラに交換した額の2%相当をインセンチブ(割り増し)として受け取ることができる。一定条件とは中銀が定める一定期間、外貨を購入しないこと、また、中銀に売却しなかった残りの外貨をリラ建て預金として口座で管理するというもの。企業は海外で得た外貨建て利益の最低40%を中銀に売却しなければならないが、優遇措置により、外貨をリラに交換するメリットが高まる。

 中銀はこの措置についてリラリゼーション戦略の一環としている。リラリゼーション戦略とは金融システムでのリラの利用拡大により、インフレ加速要因となるリラの急落を阻止し、物価安定を目指すという戦略。ただ、今回のインセンチブの導入の背景には、企業が最近のリラ高は行き過ぎで、国際競争力が脅かされると懸念を示していることがある。

<関連銘柄>

 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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