日経平均は292円高と大幅に4日続伸、円安進行で買い優勢―輸出関連株など物色=6日前場

 6日前場の日経平均株価は前週末比292円51銭高の2万7801円97銭と大幅に4営業日続伸。朝方は、6日未明の日銀次期総裁を巡る報道で円安・ドル高が進行した流れを受け、買い優勢で始まった。政府が日本銀行の黒田東彦総裁の後任人事について、雨宮正佳副総裁に就任を打診したと伝わり、現行の金融緩和策が延長される可能性が高い人選と受け止められた。円安メリットの輸出関連株などが物色され、日経平均はいったん2万7800円台に乗せた。その後伸び悩む場面もあったが、買い気は根強く盛り返し、前場終盤には2万7821円22銭(前週末比311円76銭高)まで上昇した。

 日経平均プラス寄与度上位には、指数寄与度の高いファーストリテ<9983.T>のほか、デンソー<6902.T>、トヨタ<7203.T>、ホンダ<7267.T>など自動車関連株が目立った。東証業種別株価指数(全33業種)では、卸売、不動産、輸送用機器など31業種が値上がりした。半面、金融緩和継続の見方から運用環境の改善期待が後退した銀行、保険の2業種が値下がりした。東証プライム銘柄では、全体の67.8%が上昇した。

 東証プライムの出来高は7億970万株、売買代金は1兆5927億円。騰落銘柄数は値上がり1246銘柄、値下がり517銘柄、変わらず73銘柄。

 市場からは「次期日銀総裁として『雨宮氏に打診』との報道で円安が進行した効果が大きい。もっとも、日経平均2万8000円が待ち構えており、決算ラッシュの最中でもあり、この辺りで一服してもいい。ここからは、しばらく売り物をこなしつつ、足場固めのイメージだ」(中堅証券)との声が聞かれた。

 業種別では、三菱商<8058.T>、住友商<8053.T>、丸紅<8002.T>などの卸売株が上昇。住友不<8830.T>、三井不<8801.T>、三菱地所<8802.T>などの不動産株も高く、日産自<7201.T>、三菱自<7211.T>、マツダ<7261.T>などの輸送用機器株も買われた。川崎汽<9107.T>、郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>などの海運株も堅調。INPEX<1605.T>、K&Oエナジ<1663.T>などの鉱業株や、出光興産<5019.T>、ENEOS<5020.T>などの石油石炭製品株も値を上げた。住友電工<5802.T>、フジクラ<5803.T>、大阪チタ<5726.T>などの非鉄金属株も引き締まった。

 半面、三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、りそなHD<8308.T>などの銀行株が軟調。T&DHD<8795.T>、第一生命HD<8750.T>などの保険株も安い。

 個別では、IRJHD<6035.T>、オーバル<7727.T>、平河ヒューテ<5821.T>、イリソ電子<6908.T>などが値上がり率上位。半面、チャームケア<6062.T>、カチタス<8919.T>、ウシオ電機<6925.T>、ジーテクト<5970.T>などが値下がり率上位。

提供:モーニングスター社

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