米1月コアCPI、前月比0.4%上昇―前年比は5.6%上昇に鈍化も市場予想上回る

経済

2023/2/15 9:58

<チェックポイント>

●全体指数は前年比6.4%上昇、市場予想上回る

●エネルギーが上昇に転じる―食品やホテル宿泊料の伸び加速

●市場、インフレはピーク迎えるも鈍化スピードが想定より遅いと

 米労働省が14日に発表した1月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.4%上昇となり、市場予想の平均値や、改定後の前月(改定前は0.3%上昇)と一致した。一方、前年比は5.6%上昇と、12月の5.7%上昇を下回ったが、市場予想の5.5%上昇を上回った。

 また、エネルギーと食品を含めた全体指数(季節調整後)は前月比0.5%上昇、前年比6.4%上昇となり、前月比は市場予想通りだったが、前年比は市場予想の6.2%上昇を上回った。

 前月比では、CPIの構成ウエートの約3分の1を占める、家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格(家賃・宿泊費)が0.7%上昇(前月は0.8%上昇)となった。家賃は伸びが鈍化しているが、ホテル宿泊料の伸びが加速している。

 輸送サービスは0.9%上昇(前月は0.6%上昇)に、アパレルは0.8%上昇(同0.2%上昇)と、どちらも加速した。対照的に、新車は0.2%上昇(同0.6%上昇)に鈍化。中古車は1.9%低下(同2.0%低下)、航空運賃は2.1%低下(同2.1%低下)となり、メディカルケアサービス(処方箋代や病院治療費)は0.7%低下(同0.3%上昇)となった。

 エネルギー全体は2.0%上昇(前月は3.1%低下)と3カ月ぶりに上昇した。ガソリンが2.4%上昇(同7.0%低下)となったほか、暖房用の重油は1.2%低下(同16.6%低下)と低下幅が縮小。都市ガス料金は6.7%上昇(同3.5%上昇)に伸びが加速した。電気料金は0.5%上昇(前月は1.3%上昇)だった。

 また、食品は0.5%上昇(前月は0.4%上昇)と6カ月ぶりに伸びが加速。食品のうち、外食価格が0.6%上昇(同0.4%上昇)となった。自宅調理用の食品は0.4%上昇(同0.5%上昇)だった。

 前年比では、シェルター価格が7.9%上昇、輸送サービスが14.6%上昇と高い伸びを維持。一方、新車やコモディティ価格、メディカルケアサービスは伸びが鈍化、中古車は低下幅が拡大した。食品は10.1%上昇、エネルギーは8.7%上昇となった。

 市場は、CPIの前年比の伸びが鈍化しているため、インフレがピークを迎えたとの見方を変えておらず、次回3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ幅を0.25ポイントと予想しているが、上昇ペースの鈍化は想定ほど順調ではないとの懸念が強まっており、年内の利下げ観測は後退。利下げは24年末ごろになるとみている。

提供:モーニングスター社

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