米1月住宅着工件数、前月比4.5%減の130.9万件―市場予想下回る

経済

2023/2/17 9:52

<チェックポイント>

●主力の一戸建てが減少に転じる―アパートも減少

●許可件数は0.1%増―市場予想下回る

●1月建築中件数、22年10-12月期月平均下回りGDP押し下げへ

 米商務省が16日に発表した1月の住宅着工件数(季節調整値)は、年率換算で前月比4.5%減の130万9000件と5カ月連続で減少し、市場予想の平均値である135万5000件も下回った。前年比は21.4%減と、9カ月連続の前年割れ。

 主力の一戸建てが前月比4.3%減の84万1000件と減少に転じた。月毎に変動が激しいアパート(5世帯以上)は同5.4%減の45万7000件と2カ月連続で減少した。

 一戸建てのバックログ(受注残)は前月比4.3%減の13万2000件と3カ月連続で減少したが、アパートは同5.5%増と急増し、全体では同0.7%増の29万1000件となった。

 先行指標である住宅建築許可件数は、前月比0.1%増の133万9000件となったが、市場予想の135万件を下回った。一戸建ては同1.8%減の71万8000件、アパート(5世帯以上)は同0.5%増の56万3000件。住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)が低下していることに加え、建築業者がインフレ加速による人件費や資材価格の高騰を理由に着工を遅らせている。

 また、建築許可が下りたあとの建築中件数を見ると、一戸建ては前月比1.1%減の75万2000件と、8カ月連続で減少。他方、アパート(5世帯以上)は同0.6%増の93万2000件となり、全体では同0.1%減(前年比9.5%増)の170万件と、やや減少した。

 1月の建築中件数が22年10-12月期の月平均である170万3000件を下回っていることから、1-3月期GDP(国内総生産)の住宅投資部門を押し下げる見通しだ。

 完成住宅件数は前月比1.0%増の140万6000件となり、わずかだが建築業者のバックログの処理が進んだ。一戸建ての完成住宅件数は前月比4.4%増の104万件、アパート(5世帯以上)は同8.6%減の34万9000件だった。

 市場では、住宅ローン金利が低下傾向にあるため、住宅購入者のアフォーダビリティが改善するとみており、建築業者の業況感も底打ちし、23年後半から24年初めにかけて着工や建築許可申請が回復すると見ている。

提供:モーニングスター社

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