日経平均は12円安と小反落、下げ幅拡大の場面も―TOPIXは続伸=21日前場

 21日前場の日経平均株価は前日比12円44銭安の2万7519円50銭と小反落。朝方は、20日の米国株式市場が休場で手掛かり材料難のなか、持ち高調整売りが先行した。いったん持ち直し、上げに転じる場面もあったが、買いは続かず再び軟化。先物売りに下げ幅を拡大し、一時2万7359円12銭(前日比172円82銭安)まで下落した。時間外取引で米株価指数先物が軟調に推移し、重しとして意識された。売り一巡後は下げ渋ったが、前引けにかけては小安い水準で推移した。

 日経平均は、寄与度の高いファーストリテ<9983.T>、ファナック<6954.T>、ソフバンG<9984.T>の3銘柄合計でマイナス48円強となり、指数を圧迫した。東証業種別株価指数(全33業種)では、鉱業、石油石炭製品、非鉄金属など22業種が値を上げ、陸運、空運、銀行など11業種が値を下げた。東証プライム銘柄では、全体の62%近くが上昇し、TOPIX(東証株価指数)の続伸(前日比1.42ポイント高の2001.13ポイント)につながった。

 東証プライムの出来高は5億159万株、売買代金は1兆1280億円。騰落銘柄数は値上がり1134銘柄、値下がり603銘柄、変わらず99銘柄。

 市場からは「米株が調整含みの動きにある一方、円安傾向が支えになっている面はある。物色として、低PBR、高配当利回りのバリュー(割安)株に資金がシフトしているが、短期筋が中心だ。買いの持続性は一時的と見られ、いずれジリジリと下がってくるのではないか」(銀行系証券)との声が聞かれた。

 業種別では、東急<9005.T>、京成<9009.T>、西武HD<9024.T>などの陸運株が軟調となり、JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株もさえない。三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、みずほ<8411.T>などの銀行株も安い。Jフロント<3086.T>、三越伊勢丹<3099.T>、パンパシI<7532.T>などの小売株も値を下げ、東電力HD<9501.T>、中部電<9502.T>、関西電力<9503.T>などの電気・ガス株も売られた。

 半面、INPEX<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株や、コスモエネH<5021.T>、ENEOS<5020.T>などの石油石炭製品株が上昇。住友鉱<5713.T>、UACJ<5741.T>、東邦鉛<5707.T>などの非鉄金属株も高い。東レ<3402.T>、ゴルドウイン<8111.T>などの繊維製品株や、日本紙<3863.T>、三菱紙<3864.T>、王子HD<3861.T>などのパルプ・紙株も値を上げた。

 個別では、ツバキナカ<6464.T>、LITALI<7366.T>、メドレー<4480.T>、シンプレHD<4373.T>などが値下がり率上位。半面、ソダニッカ<8158.T>がストップ高カイ気配となり、大黒天<2791.T>、ピアラ<7044.T>、東洋炭素<5310.T>などが値上がり率上位。

提供:モーニングスター社

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