米1月中古住宅販売件数、前月比0.7%減の年率400万件―12カ月連続で減少

経済

2023/2/22 10:56

<チェックポイント>

●住宅価格は7カ月連続低下―売れ行き鈍化し値引き進む

●販売物件の売れ残り期間は長期化

●NARは住宅販売の底入れを期待も市場は警戒感緩めず

 NAR(全米不動産業協会)が21日に発表した1月の中古住宅販売件数(季節調整済み)は、前月比0.7%減の年率換算400万件と12カ月連続で減少し、市場予想の平均値である410万件も下回った。季節要因を無視できる前年比は36.9%減と、18カ月連続の前年割れ。

 1月の住宅価格(中央値)は前月比2.0%低下の35万9000ドルと7カ月連続で低下した。住宅が長期にわたって売れ残っているため、値引きが進んでいる。主力の一戸建ては前月比2.4%低下の36万3100ドルと、22年6月のピーク時の42万0900ドルから14%近く下落した。

 住宅供給の過不足感を示す1月時点の未販売住宅(在庫)は前月比2.1%増の98万件となり、6カ月ぶりに増加に転じた。

 1月の販売ペースで換算した在庫水準は2.9カ月分と前月と変わらなかったが、1年前の1.6カ月分を上回った。

 住宅の販売ペースを見ると、販売物件が1月中に市場に残っていた期間は33日間と、前月の26日間や1年前の19日間を上回った。また、1月中に販売された物件のうち、1カ月弱で販売されたものは全体の54%と、12月の57%をやや下回った。以前ほどすぐに売り切れる状況ではなくなっている。

 NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、1月統計の結果について、「住宅販売は底を打った」との見方を示している。同氏は「住宅価格が低い地域では緩やかな伸びが見られる一方で、高額な地域では減少が見られる」と指摘。また、今後の販売見通しについても、「在庫は依然として少ないが、住宅購入者はこれまでよりも強い交渉力を持ち始めている。60日以上、市場に残っている住宅は約10%安く購入できる」とし、今後は買い手市場となり、宅販売の回復を予想している。

 ただ、市場では住宅ローン金利の上昇ペースが加速していることや、住宅価格の高止まりと在庫不足を反映し、住宅販売は減少に向かう可能性が高いと悲観的に見ている。

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ