<新興国eye>トルコ2月経済信頼感指数、サービス・小売り・建設いずれも悪化―2月設備稼働率も低下

新興国

2023/2/28 8:50

 トルコ統計局が先週(22日)発表したサービス業と小売業、建設業の経済状況を示す2月セクター別経済信頼感指数(季節調整後)は、サービス業の全体指数が前月比2.2%低下の115.5となり、前月(1月)の同1.7%低下に続いて2カ月連続で悪化(低下)、22年4月(114.6)以来10カ月ぶりの低水準となった。

 サービス業のサブ指数は、過去3カ月間の景況感(遅行指数)が前月比2.0%低下(前月は0.1%上昇)の116.7と、悪化した。過去3カ月間の需要(遅行指数)も同0.9%低下(同横ばい)の117.2と、悪化。今後3カ月間の需要見通し(先行指数)も同3.7%低下の112.6(同5.0%低下)と、2カ月連続で悪化している。

 小売業も同2.4%低下(同1%低下)の123.1と、2カ月連続で悪化、22年11月(121.9)以来の低水準となった。サブ指数のうち、過去3カ月間の販売活動は同0.4%低下(同5.8%上昇)の144.1と、6カ月ぶりに悪化。今後3カ月間の販売見通しも同7.4%低下(同7.7%低下)の121.8と、2カ月連続で悪化した。ただ、商品在庫は同1.2%上昇(同0.8%低下)の103.4となり、在庫過剰感が緩和した。在庫指数の「上昇」は在庫減、反対に指数の「低下」は在庫増を示す。

 建設業も同3.6%低下(同0.6%上昇)の89.8と、9カ月ぶりに悪化、22年9月(88.1)以来の低水準となった。サブ指数の受注残は同1.9%低下(同7%上昇)の84.5と、大幅に悪化。今後3カ月間の雇用見通しも同5.1%低下(同4.4%低下)の95.1と、2カ月連続で悪化している。

 経済信頼感指数はゼロから200までの間で算出され、判断の分かれ目は100。100を超えると「楽観的な見通し」、100を下回ると「悲観的な見通し」を示す。21年1月統計から指数の算定基準(調査対象など)が変更された。

 また、トルコ中銀が同日発表した2月の製造業設備稼働率(季節調整前)は75.2%と、前月(1月)の75.3%から0.1ポイント低下、依然、コロナ禍前の20年1月の75.5%を下回っている。コロナ禍が最も厳しかった同4月は61.6%と、09年4月の61.2%以来11年ぶりの低水準に落ち込んでいる。

 設備稼働率のうち、最も高かったのは投資財の78.1%(前月は77%)で、前月を大きく上回った。最も低かったのは耐久財の71.4%(同70.7%)。これも前月を上回った。このほか、中間財は74.9%(同75.6%)と、前月を下回ったが、非耐久財は73.4%(同73.4%)で変わらず、消費財は73.1%(同73.0%)と、前月をやや上回っている。

 一方、季節調整後の製造業設備稼働率は2月が75.7%となり、前月(75.8%)を下回った。

<関連銘柄>

 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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