日経平均は227円安と大幅反落、一時上げ転換も再度軟化―前引けにかけ安値推移=20日前場

 20日前場の日経平均株価は前週末比227円45銭安の2万7106円34銭と大幅反落。朝方は、前週末17日の米国株式市場で金融システムの不安定化が警戒され、主要3指数が下落した流れを受け、売りが先行した。ただ、スイスの金融最大手UBSが19日、経営危機に陥った同2位のクレディ・スイス・グループを買収することで合意したことは支えとなり、いったん上げに転じて一時2万7367円18銭(前週末比33円39銭高)まで強含む場面もあった。一巡後は、先物売りを交えて再度軟化し、前引け近くには2万7103円13銭(同230円66銭安)まで下落した。

 日経平均マイナス寄与度では、ファーストリテ<9983.T>が56円強と比較的大きく、東エレク<8035.T>が28円強、第一三共<4568.T>が13円強と続いた。東証業種別株価指数(全33業種)では、海運、倉庫運輸関連、空運など31業種が値下がりし、石油石炭製品、非鉄金属の2業種が値上がりした。東証プライム銘柄では、全体の87.5%が下落した。

 東証プライムの出来高は6億3380万株、売買代金は1兆4124億円。騰落銘柄数は値上がり190銘柄、値下がり1606銘柄、変わらず39銘柄。

 市場からは「クレディ・スイス救済は一定の支えにはなったが、金融不安への警戒感が残り、執拗に売りが続いている。もっとも、注目のFOMC(米連邦公開市場委員会、21-22日開催)では、市場に寄り添う内容になるとみられ、そろそろ売りも一巡するだろう」(中堅証券)との声が聞かれた。

 業種別では、郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>、川崎汽<9107.T>などの海運株が軟調。住友倉<9303.T>、三井倉HD<9302.T>、上組<9364.T>などの倉庫運輸関連株も安い。JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株や、東武<9001.T>、西武HD<9024.T>、京王<9008.T>などの陸運株もさえない。エーザイ<4523.T>、小野薬<4528.T>、協和キリン<4151.T>などの医薬品株や、三越伊勢丹<3099.T>、H2Oリテイ<8242.T>、高島屋<8233.T>などの小売株も売られた。

 半面、出光興産<5019.T>などの石油石炭製品株が引き締まり、DOWA<5714.T>、三菱マ<5711.T>などの非鉄金属株もしっかり。

 個別では、プロレドP<7034.T>、サツドラHD<3544.T>、豊田織<6201.T>、アイル<3854.T>などが値下がり率上位。半面、マクセル<6810.T>がストップ高カイ気配となり、LinkU<4446.T>、サンリオ<8136.T>、ニッカトー<5367.T>などが値上がり率上位。

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ