<新興国eye>トルコ中銀、金利を据え置き―市場は据え置きか利下げで予想割れる中で

新興国

2023/3/24 8:42

 トルコ中央銀行は23日の金融政策決定会合で、主要政策金利である1週間物レポ金利を8.5%に据え置いた。市場では据え置き、または、追加利下げの予想で割れていた。

 中銀は2月6日の大震災を受け、震災復興を支援するため、前回2月会合で22年11月以来3会合ぶりに利下げに転じた。現行の8.5%の金利水準は3年ぶりの低水準となっている。しかし、市場では5月の大統領選挙を控え、また、震災復興のためにも中銀は金融緩和を進めたいところだが、欧米が銀行危機にもかかわらず、インフレ抑制のため、利上げを継続しているため、リラ安を助長する追加利下げを控えていると見ている。

 中銀は会合後に発表した声明文で、金利を据え置いたことについて、「震災は短期的には経済活動に影響を与えるが、中期的にはトルコ経済に恒久的な影響を与えることはないと予想される」とし、大震災の景気への影響は限定的と判断。その上で、「現在の金融政策のスタンスは、物価の安定と金融の安定を維持することにより、震災からの回復を支えるのに十分と判断した」としている。

 また、今後の金融政策については、中銀は前回会合時と同様、「経済指標がインフレの恒久的な低下(減速)を示し、中期的な5%上昇の物価目標が達成されるまで、(通貨トルコリラの急落を阻止する)リラリゼーション戦略に基づいて、利用可能なあらゆる金融政策ツールを使い続ける」としている。リラリゼーション戦略とは金融システムでのトルコリラの利用拡大により、インフレ加速要因となるトルコリラ安を阻止し、物価安定を目指すという戦略。市場では震災後のリラ下落を阻止するため、市場介入でリラ買いを進めると見ている。

 次回の金融政策決定会合は4月27日に開かれる予定。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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