<新興国eye>前週の上海総合指数、強い経済指標や景気回復期待を受け3週続伸=BRICs市況

新興国

2023/4/3 9:16

 前週(3月27-31日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が週間ベースで3週続伸。31日は3272.86(24日終値比0.22%高)だった。

 週明け27日は指数が下落。29日まで4営業日続落した。30日は反発。

 週前半は、1-2月工業利益は前年比22.9%減と、減少幅が22年全体の4%減を大幅に上回ったことが嫌気され、売りが優勢となった。ただ、中国人民銀行(中銀)がリバースレポ取引で、金融システムにネットベースで2550億人民元の流動性を供給したため、下値は限られた。個別銘柄では中国石油化工(シノペック)が22年通期決算で減益となったことを受け、急落、下げを主導。その後は、引き続き企業業績への懸念が広がり、これまで値上がりしていたコンピューターや通信機器、メディア関連のセクターを中心に売りが広がった。

 週後半は、アリババ・グループの6事業会社への分社化計画の発表を受け、香港市場が大幅続伸したことを受け、中国本土でもITや半導体の銘柄が買われ、上げを主導した。その後は人民銀が金融システムに1750億元の流動性を供給したことが好感され、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。李強首相が率いる新政権が経済に配慮した内需拡大策にシフトするとの期待感も支援材料となっている。

 週末31日は続伸。市場が注目していた、3月中国製造業PMI(購買担当者景気指数)が51.9と、2月の52.6から低下したものの、市場予想(51.5)を上回ったことが好感され、景気回復が強まっているとの観測で買いが優勢となった。

 今週(3-7日)の株式市場は台湾情勢を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場、欧米の金融不安の動向も注目される。主な経済指標の発表予定は3日の3月CAIXIN(財新)中国製造業PMI(購買担当者景気指数)や6日の3月CAIXIN中国サービス業PMIなど。5日は「清明節」の祝日のため、休場となる。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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