<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油高や通貨ルーブル高を受け反発=BRICs市況

新興国

2023/4/17 9:03

 前週(10-14日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の14日終値が前日比横ばいの982.94、前週比では7日終値比0.9%高と、反発した。

 週明け10日は指数が続伸。翌11日は反落した。12日は反発、13日も続伸した。

 週前半は、前週末に発表されたロシアの22年10-12月期GDP伸び率が前年比2.7%減となったものの、予想の同7%減を大幅に下回ったことや、ブレント原油先物が1バレル当たり約85ドルに上昇したことが好感され、買いが優勢となった。個別銘柄では航空最大手アエロフロートが急伸し、上げを主導。その後は、1-3月期の貿易黒字が大幅に減少したことや、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。

 週後半は、米3月CPI(消費者物価指数)の伸び減速を受け、米利上げ懸念が緩和し、海外株高となったことを好感、ロシア市場でも買いが強まった。世界最大のチタン生産会社VSMPOアヴィスマや宇宙開発大手エネルギアが買われ、上げを主導した。その後は、原油価格が86.2ドルに上昇、また、ルーブル高となったことが好感され、買いが一段と強まった。原油高はOPEC(石油輸出国機構)が月次リポートで23年の世界原油需要を日量換算で230万バレル拡大すると予想したことが背景。

 週末14日は横ばい。値固めの展開となった。高値警戒感から一部で利食い売りが強まった。他方、LNG(液化天然ガス)販売増が見込まれるロシア2位の天然ガス生産大手ノバテクと、自社株買いを発表した金属大手ノリリスク・ニッケルが買われ、相場を下支えした。

 今週(17-21日)のロシア市場は、引き続き、欧米の金融不安やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える18日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や19日の米EIA週間石油在庫統計、中国国防相のロシア訪問(16-19日)も注目される。主な経済発表の予定は18日の22年12月貿易収支や19日の3月WPI(卸売物価指数)など。RTS指数は940-1010の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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