来週の東京外国為替市場見通し=米欧の金融政策決定会合に注目、日本との金利差拡大で円安進行か

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2023/4/28 16:13

予想レンジ:1ドル=133円00銭-138円00銭

 24-27日のドル・円はやや上値が重かったが、28日の日銀金融政策決定会合を受けて急伸した。24日、実需のドル買い・円売りを支えに底堅く推移したが、米長期金利の低下を受けて上げ幅を縮小。25日は、弱い米4月カンファレンスボード消費者信頼感指数が嫌気され、弱含みの展開となった。26日は米金融不安の再燃でリスクオフのドル売り・円買いが強まり、133円ちょうど近辺まで下落。27日、インフレ指標が市場予想を上回ったことでややドル買い・円売りが強まったが、一巡後は伸び悩んだ。28日、日銀が現在の異次元緩和を含めた金融政策の据え置きが決まると、ドル買い・円売りが強まった。

 27日発表の米1-3月期GDP(国内総生産)は市場予想を下回ったが、FRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ指標として重視するPCE(個人消費支出)価格指数が市場予想を上回り、5月2-3日のFOMC(米連邦公開市場委員会)においては従来予想通り0.25ポイントの利上げが見込まれている。さらに、6月の会合でも利上げを継続するとの見方が浮上しており、パウエルFRB議長の会見などで、米経済や物価に対して強気の見通しが示されるようだと利上げ長期化の思惑が広がり、ドル高に傾く可能性がある。また、4日のECB(欧州中央銀行)理事会では、引き続き0.5ポイントの大幅利上げが予想されおり、円は対ユーロでも売られやすい。

 一方、大量の預金流出が明らかになった米中堅銀行のファースト・リパブリック・バンクの株価が急落し、米金融不安が再燃する場面があっただけに、今後も金融システムに対する話題には神経質に反応する恐れがある。また、週末には米4月雇用統計の発表がある。利上げ継続観測が広がっても、足元の米雇用に弱さがみられるようだとドル・円の上値を抑えそうだ。

 ドル・円の上値メドは年初来高値である137円90銭近辺、下値メドは直近安値の133円ちょうど近辺。

提供:ウエルスアドバイザー社

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