RBA、政策金利を0.25ポイント引き上げ―今後も利上げ継続の可能性示唆

経済

2023/5/2 15:36

<チェックポイント>

●ロウ総裁、「インフレが物価目標に戻るにはまだ時間がかる」

●ロウ総裁、「物価目標を達成するため、さらなる金融引き締めが必要」

●市場、利上げサイクルの継続を予想

 豪準備銀行(RBA、中銀)は2日の理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)の誘導目標を0.25ポイント引き上げ、3.85%とすることを決めた。市場は据え置きを予想していたため、サプライズとなった。

 また、資金吸収オペとして市中銀行のRBAへの預入残高である為替決済(ES)バランス(銀行間決済口座)に適用される公定レートも0.25ポイント引き上げ、3.75%とした。

 RBAは3月会合まで10会合連続で利上げを実施したが、前回4月会合で据え置き、利上げサイクルを一時停止していた。

 利上げサイクルを再開したことについて、ロウ総裁は、インフレ率がピークを過ぎたとの見解を示したものの、依然として高い水準にあり、「物価目標の範囲内に戻るにはまだ時間がかる」と指摘。高インフレが長期化する懸念を強めており、適切な時間内でインフレを物価目標に戻すことを優先したとしている。

 インフレの上昇リスクとしては、従来通り労働市場のひっ迫による賃金の上昇を挙げており、今後も人件費の動向と企業の価格設定行動(価格転嫁)の両方に細心の注意を払うと、警戒感を示した。

 また、ロウ総裁は、「インフレが妥当な時間内で物価目標に戻ることを確実にするため、金融政策のさらなる引き締めが必要になる可能性がある」としており、利上げサイクルの継続の可能性を示唆した。

 市場では今回の結果を受け、オフィシャルキャッシュレートのピークが10月までに4.1%になると予想。また、今回の利上げは米国やカナダ、ニュージーランドの利上げ継続に追いつくためだったとみている。

 次回会合は6月6日に開かれる予定。

提供:ウエルスアドバイザー社

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