【上海IPO】11日は科創板で2社が公募開始、北京神舟航天軟件技術は1億株発行予定

サーチナ

中国株

2023/5/11 9:35

 上海証券取引所では5月11日、科創板への上場を目指す美芯晟科技(688458/上海)、北京神舟航天軟件技術(688562/上海)の2社が新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 美芯晟科技は2001万株を発行予定で、公募価格は75元。2008年の設立で21年に株式会社した。北京市に本社を構えるファブレス形態のIC(集積回路)設計企業で、高性能なアナログ・デジタル混合半導体チップの研究開発、設計、販売を主業務とする。主要製品は無線充電関連製品とLED照明駆動関連製品で、応用分野は通信端末、コンシューマーエレクトロニクス、照明器具、スマート家具など。無線充電分野では小米、Honor、伝音など中国のスマートフォンブランドに製品を提供し、LED照明分野ではシグニファイ、レドバンス、通士達、木林森照明など国内外の著名メーカーと長期的な提携関係を築いている。

 LED照明分野では中国国内市場で高い競争力を持つ一方で、無線充電分野ではSTマイクロエレクトロニクスやルネサスエレクトロニクスといった世界的なリーディングカンパニーが中国市場でも高いシェアを持っている。重要製品の国産化を奨励する流れの中で提携企業を増やしつつあるものの、シェアを大きく拡大するためにはまだまだ時間が必要だ。

 22年12月期の売上高は4億4114万元(前期比18.58%増)、純利益は5256万元(同61.19%増)。23年1〜3月期の業績予測は、売上高が6800万〜8300万元(前年同期比22.56〜49.60%増)、純損益は460万〜830万元の赤字(同3.26〜46.38%の赤字減)。

 北京神舟航天軟件技術は1億株を発行予定で、公募価格は12.68元。00年設立の国有企業で、21年に株式会社化した。基本ソフトウェアや工業用ソフトウェアの開発、情報技術サービス、主に宇宙事業や中国共産党・人民解放軍向けの情報システムインテグレーションサービスを手掛ける。宇宙事業では火星探査プロジェクト、月面探査プロジェクト、有人宇宙ステーション、衛星ナビゲーションシステムなど中国の重要宇宙開発プロジェクトのデータ管理を支援してきた。またデータバンクや工業用ソフトウェア事業では国有企業、政府機関、民営企業を顧客に持つ。

 22年における中国データバンク市場シェアは約0.45%に留まっている。一方で、19年における国防軍需工業向け工業用ソフトウェア市場シェアは1位となっているほか、22年の研究開発・設計系工業用ソフトウェア製品の中国市場シェアは9.94%と一定の地位を確保している。

 22年12月期の売上高は18億9451万元(前期比26.16%増)、純利益は6804万元(同41.59%増)。23年1〜3月期の業績予測は、売上高が3億〜3億6000万元(前年同期比11.82%減〜5.81%増)、純損益が100万元の赤字〜300万元の黒字(前年同時期は273万元の赤字)。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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