日経平均は232円高と大幅続伸、好業績株中心に買い先行―取引時間中の年初来高値を上回る=12日前場

 12日前場の日経平均株価は前日比232円71銭高の2万9359円43銭と大幅続伸。2日に付けた取引時間中の年初来高値2万9278円80銭を上回った。朝方は、決算に絡んだ好業績銘柄を中心に買いが先行した。半導体関連株の上昇も支えとなり、日経平均は一時2万9408円06銭(前日比281円34銭高)まで上伸した。東証が11日に発表した5月第1週(1-2日)の投資部門別売買動向で海外投資家の買い越しが続き、好需給要因として意識された面もある。買い一巡後は、上値が重くなったが、下値も限定された。なお、この日算出の日経平均先物ミニ・オプション5月限SQ(特別清算指数)の市場推定値は2万9235円08銭。

 日経平均プラス寄与度では、ファストリテ<9983.T>の37円強を筆頭に東エレク<8035.T>が36円強、アドバンテスト<6857.T>が21円強と続いた。東証業種別株価指数(全33業種)では、パルプ・紙、精密、ゴム製品など21業種が値上がりし、石油石炭製品、その他金融、保険など12業種が値下がりした。

 東証プライムの出来高は8億4592万株、売買代金は2兆793億円。騰落銘柄数は値上がり894銘柄、値下がり857銘柄、変わらず81銘柄。

 市場からは「好決算や、自社株買いなどの株主還元策に機敏に反応し、買い進まれてはいるが、腰の据わった資金ではなく、短期筋が中心だ。決算はきょう12日にピークを迎え、来週15日でほぼ一巡する。手掛かり材料がなくなれば、行き過ぎの反動が出てくるだろう」(銀行系証券)との声が聞かれた。

 業種別では、三菱紙<3864.T>、レンゴー<3941.T>、日本紙<3863.T>などのパルプ・紙株が上昇。HOYA<7741.T>、オリンパス<7733.T>、テルモ<4543.T>などの精密株も高い。TOYO<5105.T>、ブリヂス<5108.T>、住友ゴム<5110.T>などのゴム製品株や、日産自<7201.T>、ホンダ<7267.T>、トヨタ<7203.T>などの輸送用機器株も堅調。任天堂<7974.T>、アシックス<7936.T>などのその他製品株や、住友不<8830.T>、三井不<8801.T>、東急不HD<3289.T>などの不動産株も値を上げた。サッポロHD<2501.T>、サントリBF<2587.T>、森永菓<2201.T>などの食料品株も買われた。

 半面、ENEOS<5020.T>、出光興産<5019.T>、コスモエネH<5021.T>などの石油石炭製品株が軟調。オリックス<8591.T>、アイフル<8515.T>などのその他金融株や、T&DHD<8795.T>、東京海上<8766.T>、第一生命HD<8750.T>などの保険株も安い。INPEX<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株もさえない。

 個別では、TOB(株式公開買い付け)対象のアルテリア<4423.T>(監理)や、ネツレン<5976.T>がストップ高カイ気配となり、電算システム<4072.T>などが値上がり率上位。半面、Ubicom<3937.T>、ドリームI<4310.T>、JCRファーマ<4552.T>などが値下がり率上位。

提供:ウエルスアドバイザー社

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