<新興国eye>前週のインド株、中銀の追加利上げ懸念後退や外国人の買い越し受け反発=BRICs市況

新興国

2023/5/15 8:57

 前週(8-12日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の12日終値は前日比0.20%高の6万2027.9、週間ベースでは5日終値比1.59%高と、反発した。

 週明け8日は指数が急反発。翌9日は小反落した。10日は反発、11日は小反落した。

 週前半は、財務省が国内のインフレ率は「許容範囲をやや上回る程度」と指摘したことを受け、インド準備銀行(中銀)の追加利上げ懸念が後退、買いが優先となった。また、外国人投資家の買い越しが8営業日連続となったことや、米4月雇用統計が強い内容となり、米経済の減速懸念が後退したことも支援材料となった。その後は、米株先物が下落したことが嫌気され、インド市場では利食い売りが強まった。特に、不動産大手インディアブルズ・リアル・エステートが20%安と、急落、下げを主導した。

 週後半は、外国人投資家が買い越しとなったことが好感され、買いが優勢となった。銀行や自動車を中心に買いが広がった。金融大手インダスインド銀行が株式投資判断の引き上げを受け、大幅高となり、上げを主導。その後は、インドの3月鉱工業生産と4月CPI(消費者物価指数)の発表を控え、積極的な買いが控えられる中、小安く引けた。ジェネリック医薬品大手ドクター・レディー・ラボラトリーズとエンジニアリング大手ラーセン・アンド・トゥブロなどが急落、下げを主導。

 週末12日は小反発。米国の経済指標が景気減速の兆候を示したことや、中国の弱い経済指標も嫌気され、売りが強まった。アダニ・トタル・ガスとアダニ・トランスミッション、インダス・タワーズが株価指数プロバイダーのモルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)の指数構成銘柄から外されることを受け、急落、下げを主導した。

 今週(15-17日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュース、欧米の金融不安の動向も注目される。主な経済指標の発表予定は15日の4月WPI(卸売物価指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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