米4月住宅着工件数、前月比2.2%増の140.1万件―アパートが回復、一戸建ても堅調

経済

2023/5/18 10:03

<チェックポイント>

●市場予想上回るも、3月分は下方改定

●建築許可件数は141万6000件―市場予想下回る

●4月建築中件数、1-3月期月平均下回る―4-6月期GDP押し下げへ

 米商務省が17日に発表した4月の住宅着工件数(季節調整値)は、年率換算で前月比2.2%増の140万1000件となり、市場予想の平均値である140万件をやや上回った。ただ、3月分が前月比0.8%減の142万件から同4.5%減の137万1000件に下方改定されている。前年比は22.3%減と、12カ月連続の前年割れ。

 内訳は、月毎に変動が激しいアパート(5世帯以上)が前月比5.2%増の54万2000件に回復し、全体を押し上げた。主力の一戸建ては同1.6%増の84万6000件と、22年12月の88万7000件以来4カ月ぶりの高水準となった。中古住宅の供給不足を受け、一戸建て新築住宅の需要が高まったことや、住宅ローン金利が4月も一時的に低下したことが背景。

 バックログ(受注残)は一戸建てが前月比4.5%増の13万9000件と、6カ月ぶりに増加したものの、アパートは同6.4%減(前年比11.4%増)となった。5世帯未満のアパートを含めた全体では同1.0%減の29万件となった。

 先行指標である建築許可件数は前月比1.5%減の141万6000件と2カ月連続で減少。市場予想の143万件を下回った。一戸建ては同3.1%増の85万5000件となったが、アパート(5世帯以上)が同9.7%減の50万2000件と急減し、全体を押し下げた。

 建築許可が下りたあとの建築中件数は、一戸建てが前月比1.4%減の69万8000件と11カ月連続で減少した一方、アパート(5世帯以上)は同1.7%増の95万9000件となり、全体では同0.4%増(前年比0.4%増)の167万5000件だった。一戸建ての建築中の減少が続いているのは、22年の需要低迷で新築在庫が増加し、着工にブレーキがかかっているためとみられる。

 4月の建築中件数が1-3月期の月平均(168万3000件)を下回ったことから、市場では7月27日発表予定の4-6月期GDP(国内総生産)速報値の住宅投資部門を押し下げると見ている。

 完成住宅件数は、一戸建てが前月比6.5%減の97万1000件、アパート(5世帯以上)は同17.4%減の40万件となり、全体では同10.4%減の137万5000件となった。

提供:ウエルスアドバイザー社

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