(再送)<新興国eye>前週のロシアRTS指数、ルーブル安や西側の対ロ制裁に6週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2023/5/22 8:56

 前週(15-19日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の19日終値が前日比0.31%高の1036.6、前週比では12日終値比0.20%安と、6週ぶりに反落した。

 週明け15日は指数が下落。翌16日まで3営業日続落となった。17日は反発。18日は反落した。

 週前半は、ルーブル安の進行が嫌気され、売りが優勢となった。ただ、ブレント原油先物が1バレル当たり75ドルを超えたことや、石油大手スルグトネフチガスの配当観測、EU(欧州連合)がロシアの23年成長率見通しを従来予想の3.2%減から0.9%減に上方修正したことが好感されたため、下げは限定的となった。その後は、ルーブル安に加え、原油価格が75ドルに後退したことや、中国の鉱工業生産などの経済指標が予想を下回ったことなどが嫌気され、売りが強まった。

 週後半は、原油価格が76ドルを超えたことや、ルーブル高に転じたことが好感され、買いが優勢となった。RTS指数はドル建て表示のため、為替相場の変動の影響を受けやすく、ドル安・ルーブル高になると、RTS指数は上昇する傾向がある。また、電力大手サマラエネルゴが配当観測で急騰、上げを主導。その後は、スルグトネフチガスの配当金が低く抑えられるとの観測で売られ、配当停止を決めた地熱発電大手TGC-14も急落、下げを主導した。

 週末19日は反発。不動産開発大手LSRグループが配当の実施を決めたことが好感され、急騰、上げをけん引。また、インターネットサービス最大手ヤンデックスも株式の過半数(51%超)を売却する入札を開始したことも好感され、急騰、相場を押し上げた。ただ、英国が追加の対ロ制裁を発表したことが嫌気され、上値は抑えられた。制裁対象には複合企業大手AFKシステマや金鉱山最大手ポリウス・ゴールド、鉄鋼大手のセベルスタルやマグニトゴルスク・アイロン&スチール・ワークス(MMK)、金融大手ロスバンクなどの主要企業が含まれるほか、ロシア産のダイヤモンドや銅、ニッケル、アルミニウムの輸入禁止措置が含まれている。米国も新たに46人の個人と200社を制裁対象リストに加えた。

 今週(22-26日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える23日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や24日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は24日の4月WPI(卸売物価指数)など。RTS指数は1000-1100の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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