<新興国eye>トルコ5月経済信頼感指数、建設業が大幅上昇、サービス業は悪化―5月設備稼働率は上昇

新興国

2023/5/25 8:51

 トルコ統計局が24日発表したサービス業と小売業、建設業の経済状況を示す5月セクター別経済信頼感指数(季節調整後)は、サービス業の全体指数が前月比0.6%低下の117.4となり、前月(3月)の同1.1%上昇から3カ月ぶりに悪化(低下)、3月(116.8)以来の低水準となった。

 サービス業のサブ指数は、過去3カ月間の景況感(遅行指数)が前月比0.8%上昇(前月は0.1%低下)の115.7と、4カ月ぶりに改善(上昇)。過去3カ月間の需要(遅行指数)も同1.2%上昇(同1.9%上昇)の118.3と、2カ月連続で改善した。対照的に今後3カ月間の需要見通し(先行指数)は同3.6%低下(同1.5%上昇)の118と、3カ月ぶりに悪化した。

 小売業は同0.4%上昇(同1.3%低下)の116.7と、5カ月ぶりに改善、3月(117.7)以来の高水準となった。サブ指数のうち、過去3カ月間の販売活動は同0.2%上昇(同3.7%低下)の127.9と、4カ月ぶりに改善。今後3カ月間の販売見通しも同3%上昇(同3.2%上昇)の125.2と、2カ月連続で改善した。商品在庫も同2.4%低下(同3.5%低下)の96.9となり、在庫過剰感が一段と高まった。在庫指数の「上昇」は在庫減、反対に指数の「低下」は在庫増を示す。

 建設業は同4.3%上昇(同0.1%低下)の92.2と、4カ月ぶりに改善、1月(93.2)以来の高水準となった。サブ指数の受注残は同2.9%上昇(同0.2%低下)の87.3と、改善、今後3カ月間の雇用見通しも同5.5%上昇(同0.1%低下)の97と、5カ月ぶりに改善した。

 経済信頼感指数はゼロから200までの間で算出され、判断の分かれ目は100。100を超えると「楽観的な見通し」、100を下回ると「悲観的な見通し」を示す。21年1月統計から指数の算定基準(調査対象など)が変更された。

 また、トルコ中銀が同日発表した5月の製造業設備稼働率(季節調整前)は76%と、前月(4月)の75.4%から0.6ポイント上昇。コロナ禍前の20年1月の75.5%に接近した。コロナ禍が最も厳しかった同4月は61.6%と、09年4月の61.2%以来11年ぶりの低水準に落ち込んでいる。

 設備稼働率のうち、最も高かったのは投資財の78.4%(前月は79.1%)だったが、前月を下回った。中間財は75.5%(同74.4%)、耐久財は72.4%(同71.9%)となり、いずれも前月を上回った。対照的に、非耐久財は73.3%(同73.4%)と、前月を下回った。消費財は73.2%(同73.2%)と、変わらなかった。

 季節調整後の製造業設備稼働率も5月は76.3%となり、前月(75.6%)を上回った。

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 上場MSエマ<1681.T>

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