米6月小売売上高、前月比0.2%増―市場予想下回る

経済

2023/7/19 10:00

<チェックポイント>

●全13業種中7業種が増加、6業種が減少―ガソリンなどが全体を押し下げ

●コア小売売上高は前月比0.6%増―4-6月期GDP押し上げへ

●景気減速懸念は後退も、インフレ抑制に時間との見方

 米商務省が18日に発表した6月の小売売上高(季節・営業日調整後)は、前月比0.2%増の6895億ドルとなり、市場予想の平均値である0.5%増を下回った。ただ、5月分は速報値の0.3%増から0.5%増に上方改定されている。前年比は1.5%増(5月は2.0%増)だった。

 カテゴリー別では、全13業種のうち、7業種が増加、6業種が減少した。家具や家電が伸びた一方、建築資材・園芸、百貨店売上が減少した。また、市場が景気のバロメーターとして注目した、外食(レストラン・バー)は同0.1%増と、前月の同1.2%増に続き、4カ月連続で増加したが、伸びが鈍化した。

 このほか、月ごとに変動が大きい自動車も前月から伸びが鈍化。ガソリンは原油価格の低下で減少した。

 自動車・同部品だけを除いた小売売上高は前月比0.2%増となり、市場予想の0.3%増を下回った。ガソリンスタンドを除いた小売売上高は同0.3%増、自動車・同部品とガソリンを除いた小売売上高は同0.3%増となった。

 他方、ガソリンスタンドと自動車・同部品に加え、建築資材や飲食レストランを除いた、いわゆる“コア小売売上高”(コントロール・グループ)は前月比0.6%増と、前月の2倍の伸びに加速した。この結果、7月27日発表予定の4-6月期GDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費を押し上げる見通し。コア小売売上高はGDPを構成する個人消費支出の財支出に組み込まれる重要な指標。

 全体の小売売上高は市場予想を下回ったものの、6月CPI(消費者物価指数)の伸びと一致したことから、金利上昇や高インフレという厳しい経済環境でも消費金額が増加しており、市場は消費需要が依然強いとみている。今回の統計結果を受け、景気は思ったほど冷え込んでおらず、FRB(米連邦準備制度理事会)にとってはインフレ抑制が難しい局面にあるとみている。

提供:ウエルスアドバイザー社

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