米7月小売売上高、前月比0.7%増―市場予想上回る

経済

2023/8/16 9:46

<チェックポイント>

●全13業種のうち、前月比で9業種が増加―外食やオンライン小売など好調

●コア小売売上高は前月比1.0%増―7-9月期GDP押し上げへ

●夏のバーゲンセールや旅行が寄与―市場は下期から伸び減速と予想

 米商務省が15日に発表した7月の小売売上高(季節・営業日調整後)は、前月比0.7%増の6963億5400万ドルとなり、市場予想の平均値である0.4%増を上回った。また、6月は0.3%増に上方改定されている。前年比は3.2%増だった。

 全13業種のうち、9業種が増加した。ガソリン販売が価格上昇の影響で増加に転じたほか、オンラインショッピング(同1.9%増)がアマゾン<AMZN>恒例のプライム会員向け大バーゲンセール「プライムデ-」などによりオンラインショッピングが急増。レストラン・バーの外食やスポーツ用品・趣味・楽曲・書籍、アパレル、ホームセンターなどの建築資材・園芸も増加した。

 月ごとに変動が大きい自動車が減少した影響もあって、自動車・同部品だけを除いた小売売上高は同1.0%増と全体の伸びよりも大きく増加し、市場予想の0.4%増も上回った。ガソリンスタンドを除いた小売売上高は同0.8%増、自動車・同部品とガソリンを除いた小売売上高は同1.0%増だった。

 ガソリンスタンドと自動車・同部品に加え、建築資材や飲食レストランを除いた、コア小売売上高は前月比1.0%増と、23年に入って最大の伸びとなり、市場予想の0.5%増を大幅に上回った。この結果、10月26日発表予定の7-9月期GDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費を押し上げる見通し。

 市場では全体の小売売上高の伸びが7月CPI(消費者物価指数)の前月比0.2%上昇を上回ったことから、金利上昇や高インフレという厳しい経済環境でも消費需要が依然強いと見ている。ただ、夏のバーゲンセールや休暇旅行で裁量的支出が急増したことも増加の要因とみており、今後、気温が低下する下期から消費の伸びは減速し、特に、10-12月期には減少に転じると予想。消費需要を抑制してきたFRBにとっては好都合となると見ている。

提供:ウエルスアドバイザー社

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