RBA、政策金利を据え置き―市場予想通り
2023/9/5 14:57
<チェックポイント>
●据え置きは3会合連続
●ロウ総裁、インフレ率は依然高いとの認識―データ次第で再利上げも
●市場、あと1回の利上げと24年5月から利下げサイクル開始を予想
豪準備銀行(RBA、中銀)は5日の理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)の誘導目標を4.10%に据え置くことを決めた。据え置きは3会合連続。市場の予想通りだった。
市中銀行のRBAへの預入残高である為替決済(ES)バランス(銀行間決済口座)に適用される公定レートも4.00%に据え置いた。
今回の会合は、17日に7年間の任期を終えるロウ総裁にとって最後のRBA理事会となった。ロウ総裁は声明文で、「(これまでの利上げで)経済の需要と供給の持続可能なバランスが確立され、今後もそのバランスは続く」とし、これまでの累積的な利上げのインフレ抑制効果が今後も期待できると指摘。今回の据え置きにより、これまでの利上げの影響と経済見通しを評価するためのさらなる時間が得られるとしている。
景気リスクについては、「高インフレが実質所得を圧迫し、住宅投資と同様に、家計消費の伸びも低迷している。労働市場の状況は若干緩和されているものの、依然、厳しい状況」とし、行き過ぎた利上げによる景気後退懸念を示している。
ただ、インフレ率については依然として高いとの認識を示している。豪7月CPI(消費者物価指数)は前年比4.9%上昇となったが、物価目標の2-3%上昇に戻るには時間がかるとみている。インフレ率を抑えることを優先する考えを示しており、データ次第で再利上げの可能性があることも示唆した。
市場では、RBAが年内金利を据え置くと予想。利下げは24年5月から緩やかな利下げサイクルが始まると見ているが、他方、インフレ率が高止まりしているため、利下げサイクルに入る前にあと1回0.25ポイント利上げし、4.35%にすると予想している。
次回会合は10月3日に開かれる予定。
提供:ウエルスアドバイザー社
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