米8月コアCPI、前月比0.3%上昇―市場予想上回るも前年比は4.3%上昇と伸び鈍化

経済

2023/9/14 8:44

<チェックポイント>

●航空運賃が急上昇、シェルター価格は減速

●全体指数は前月比、前年比ともに加速―ガソリン価格の上昇を反映

●市場の政策金利見通しに大きな変化はみられず

 米労働省が13日に発表した8月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコア指数(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.3%上昇と前月の伸びや市場予想の平均値である0.2%上昇を上回った。一方、前年比は4.3%上昇と、5カ月連続で伸びが鈍化し、市場予想と一致した。

 エネルギーと食品を含めた全体指数は、前月比0.6%上昇と前月の0.2%上昇から加速したが市場予想と一致。前年比は3.7%上昇と、市場予想の3.6%上昇や前月の3.2%上昇を上回った。

 セグメント別の前月比は、輸送サービスのうち、航空運賃が4.9%上昇(前月は8.1%低下)と大きく伸びたほか、新車が0.3%上昇(同0.1%低下)となった。

 他方、CPIの構成ウエートの約3分の1を占める家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格(家賃・宿泊費)は0.3%上昇(同0.4%上昇)に減速した。賃貸住宅は強い伸びをみせたが、帰属家賃(OER)は伸びが鈍化し、ホテル宿泊料は3カ月連続で低下した。

 エネルギー全体は5.6%上昇と、7月の0.1%上昇から伸びが急加速。特にガソリンが10.6%上昇(7月は0.2%上昇)と大きく上昇した。都市ガス料金は伸びが鈍化したが、暖房用の重油や、電気料金は伸びが加速した。

 食品は0.2%上昇と、7月と変わらなかった。外食価格が伸びた一方、自宅調理用の食品は鈍化した。

 前年比でも輸送サービスが伸びたが、シェルター価格は7.3%上昇(7月は7.7%上昇)に鈍化している。エネルギーは3.6%低下(同12.5%低下)、食品は4.3%上昇(同4.9%上昇)だった。

 今回のCPIがまちまちの結果となったことから、市場の米金融政策に対する見方に大きな変化はみられていない。市場では、20日結果公表のFOMC(米連邦公開市場委員会)において政策金利が据え置かれ、11月1日のFOMCでは利上げよりも据え置かれるとの見方がやや多い。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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