<新興国eye>前週のインド株、原油高でも米利上げ懸念後退を受け3週ぶり続伸=BRICs市況

新興国

2023/10/16 8:57

 前週(9-13日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の13日終値は前日比0.19%安の6万6282.74、週間ベースでは6日終値比0.44%高と、続伸した。

 週明け9日は指数が下落。翌10日は反発した。11日も続伸。12日は小反落した。

 週前半は、イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘激化による中東危機の拡大を受け、原油価格が急騰したことが嫌気され、売りが優勢となった。個別銘柄では複合企業大手ゴータム・アダニ・グループ傘下の港湾運営大手アダニポーツ&SEZが中東危機を受け、急落、下げをけん引。ただ、前週末に発表された米9月雇用統計を受け、米追加利上げ懸念が後退したため、下げは限定的となった。

 その後は、中東危機をにらみながらも米利上げ懸念の後退が支援材料となり、買いが優勢となった。FRB(米連邦準備制度理事会)幹部が講演でハト派スタンスを示したことが背景。また、IMF(国際通貨基金)がインドの24年度成長率見通しを6.3%増に0.2ポイント上方修正したことも支援材料となった。自動車大手タタ・モーターズが販売好調で25年度通期は増益となる見通しが好感され、上げをけん引。

 週後半は、さらなるFRB幹部のハト派発言で米利上げ懸念が和らいだことや、原油価格も1バレル88ドルを下回る水準で落ち着いたことが好感され、買いが一段と強まった。FRB傘下のアトランタ地区連銀のラファエル・ボスティック総裁とダラス地区連銀のローリー・ローガン総裁は講演で相次ぎ、追加利上げの必要性を否定している。その後は、IT最大手タタ・コンサルタンシー・サービシズの四半期決算が弱い内容だったことが嫌気され、IT株が下落、下げをけん引した。ただ、原油価格が低下したため、下げは限定的となった。インドは世界3大原油輸入国の一つとして知られ、原油安は支援材料となる。

 週末13日も続落。IT大手のインフォシスが売り上げ見通しの下方修正により、急落、また、銀行セクターの投資判断の引き下げを受け、アクシス銀行やHDFC銀行が急落、下げを主導した。

 今週(16-20日)のインド市場は中東危機やウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は16日の9月WPI(卸売物価指数)など。19日はヒンズー教の「ガネーシュ・フェスティバル」の祝日で休場となる。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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