<新興国eye>前週のブラジル株、米利上げ終了観測や10月インフレ率低下で3週続伸=BRICs市況

新興国

2023/11/13 8:57

 前週(6-10日)のブラジル株式市場は10日のボベスパ指数が前日比1.29%高の12万0568.14、週間ベースでは3日終値比2.04%高と、3週続伸した。

 週明け6日は指数が上昇、翌7日まで5営業日続伸した。8日は小反落、9日も続落した。

 週前半は、前週末の米10月雇用統計が弱い内容となったことを受け、米利上げサイクル終了観測が強まり、買いが優勢となった。また、通貨レアル高となったことも支援材料。ただ、ブラジル中銀の金融政策決定会合(1日)の議事録(7日)と10月のIPCA(拡大消費者物価指数)の発表(10日)を控え、積極的な買いが抑えられる中、横ばいで推移した。

 その後は、FRB(米連邦準備制度理事会)の幹部が講演で、「インフレ率を物価目標に収束させる取り組みが大きく前進している」とし、追加利上げよりも金利据え置きの可能性が高まっていると発言したことが好感され、買いが優勢となった。ただ、ブラジル中銀の議事録で、政府の財政規律の弱体化が財政支出を拡大させ、政策金利の上昇圧力が高まる可能性があると懸念を示したため、上値は重くなった。

 週後半は、FRBのパウエル議長の講演を控える中、ミシェル・ボウマンFRB理事が講演で、米経済の強じん性を指摘した上で、追加利上げの可能性を示唆したことが嫌気され、売りが優勢となった。ただ、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のFedWacthツールで、24年5月に0.25ポイントの利下げに転換する確率が1週間前の41%から52%に上昇したことや、ブラジルの9月小売売上高が前月比0.6%増と、前月の同0.1%減から増加に転じたため、下値は限られた。

 その後は、パウエルFRB議長の講演でのタカ派発言が嫌気され、売りが優勢となった。中国の10月CPI(消費者物価指数)が低下に転じたことを受け、中国の景気回復懸念が強まったことも売り材料となった。

 週末10日は急反発。10月IPCAが前月比0.24%上昇と、前月の同0.26%上昇から減速、市場予想(0.29%上昇)を下回ったことが好感され、買いが優勢となった。

 今週(13-17日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策なども注目される。主な経済指標の発表予定は14日の9月サービス業成長率や16日のGDP伸び率の先行指標となっている9月IBC―Br(経済活動指数)、17日の11月IGP-10インフレ指数(10月11日-11月10日まで物価変動指数)など。15日は「共和国建国記念日」の祝日のため、休場となる。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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