京王電鉄、24年3月期2Q決算説明会で語る中期経営計画の進ちょく状況と今後の成長戦略

株式

2023/11/24 17:32

 京王電鉄<9008.T>が11月13日、24年3月期第2四半期の決算説明会動画を公開し、中期経営計画の進ちょく状況と今後の成長戦略を語った。

 24年3月期第2四半期累計(23年4-9月)連結業績は、売上高が1840億円(前年同期比15.9%増)、営業利益は239億円(同2.5倍)だった。京王プラザホテル新宿の平均客室単価が外国人旅行客の宿泊需要の取り込みなどによりコロナ禍以前の水準を上回るなど好調が継続、営業利益は全セグメントで想定を上回った。

 24年3月期通期の連結業績予想は売上高が3930億円(前期比13.2%増)、営業利益は360億円(同67.6%増)と従来計画から増額。固定資産除却損の増加などにより、当期純利益は252億円(同92.2%増)を据え置いた。

 25年3月期を最終とする中期3カ年経営計画では、事業方針として社会における鉄道会社の存在意義を再度見つめ直し、新しいライフスタイルをけん引する存在として原点である街づくりに注力、生活圏内の回遊性向上を図り、豊かで魅力的な「まちづくり」への主体的な関与、新しい移動需要の創出を掲げている。併せて事業構造改革を進めることで不動産販売事業のポートフォリオを拡大し、稼ぐ力を強化することにも取り組む。また、何よりも鉄道における高度な安全性サービスの向上がグループの大前提にあるということに加え、人材・環境・財務など経営基盤の整備も重要な柱ととらえている。新宿駅西南口地区開発計画を始め2030年代に本格化する大規模投資期に向けて25年3月期までの3年間を稼ぐ力を取り戻すための重要な時期と位置付けており、30年代までには過去最高益を超える水準を目指す。

 22年7月からスタートしたオープンイノベーションプログラムは今年度に入りエリアを起点とした第2弾を下北沢で開始、下北沢から沿線全体への展開を推進し、外部競争による新たな事業やサービスを創出することで各地域の特性を生かしながらエリアの価値向上を目指す。また若年層を中心に人気の高いeスポーツについては23年3月期の採択案件として笹塚に続く2施設目をトリエ京王調布に開設している。

 23年9月には鉄道グループ初のフルバンキングサービス・京王NEOBANKの提供を開始した。強固な経営基盤の整備についてはマテリアリティに基づいたKPI(重要業績評価指標)を設定、グループとして目指す姿を明確にし、進ちょく状況を定量的に示していくことで持続可能な成長を促進するという。

提供:ウエルスアドバイザー社

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