<新興国eye>前週のロシアRTS指数、海外株安や原油安を受け5週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2023/12/4 8:58

 前週(11月27日ー12月1日)のロシア株式市場で、RTS指数(ドル建て)の1日終値は前日比1.77%安の1095.28、前週比では11月24日終値比4.20%安と、5週ぶりに反落した。

 週明け27日は指数が下落。30日まで7営業日続落した。

 週前半は、海外株安を受け、ロシア市場でも売りが優勢となった。また、ロシアの証券口座を通じて外国株を直接売買することができるサンクトペテルブルク証券取引所が米国の対ロ制裁により、事業継続が困難な見通しが強まり、急落、下げをけん引。ただ、OPEC(石油輸出国機構)プラスの減産延長を巡る議論の開始を間近に控え、ブレント原油先物が引けにかけ、79ドルから81ドルに回復したため、下げは限定的となった。

 その後は、海外株安となる中でロシア市場も売りが強まった。ただ、原油価格が81.5ドルに上昇したことや、資源大手ポリメタルがモスクワ証取から上場廃止される懸念が後退したことが好感され、相場を下支えした。ポリメタルは西側の対ロ制裁により、本拠地移転手続きが難しくなったため、上場廃止の懸念が広がっていた。

 週後半は、原油価格が一時、83ドル超まで上昇したが、米週間石油統計の発表後、81.6ドルに後退したため、売りが強まった。ただ、海外株高となったため、下値は限られた。個別銘柄では航空大手アエロフロートが弱い四半期決算を受け、下落した一方で、国営ダイヤモンド生産最大手アルロサや林業・紙パ大手セガジャ・グループが急騰。その後は、海外株高となったものの、月末を控えた手仕舞い売りが強まった。また、OPECプラスの減産延長を議論する会合が中止になるとの懸念で原油価格が下落したことも売り材料となった。

 週末1日は8営業日続落。原油価格が81ドルに後退したことや、ルーブル高の進行が企業の業績に悪影響を及ぼすとの懸念で売りが強まった。ロシア中銀が次回12月会合でインフレ抑制のため、追加利上げを行うとの観測も相場を押し下げた。

 今週(4ー8日)のロシア市場は、引き続き、中東紛争やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)の動向、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える6日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や7日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は5日の11月ロシア非製造業PMI(購買担当者景気指数)や8日の11月CPI(消費者物価指数)など。指数は1050-1150のレンジでの取引が予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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