<新興国eye>前週のインド株、アダニGの急騰やFRB幹部発言などを受け5週続伸=BRICs市況

新興国

2023/12/4 8:58

 前週(11月28日ー12月1日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の1日終値は前日比0.74%高の6万7481.19、週間ベースでは11月24日終値比2.29%高と、5週続伸した。

 週明け27日は「グル・ナーナク生誕祭」の祝日で休場。取引が再開された翌28日は指数が上昇、30日まで3日続伸した。

 週前半は、休場後、取引が再開され、複合企業大手ゴータム・アダニ・グループ関連銘柄が上昇、上げをけん引した。前週末、最高裁がアダニ・グループに対する米投資会社ヒンデンブルグ・リサーチの調査申し立てを却下したことを受け、インド証取(SEBI)も同グループに関する調査の延長は求めないと発表したことが背景。

 週後半は、FRB(米連邦準備制度理事会)のウォラー理事が講演で、インフレ低下が続けば、数カ月後に利下げ転換の可能性を示唆したことが好感され、買いが優勢となった。また、米国市場での売り上げが大きいITセクターが上昇、アダニ・グループとともに上げを主導。その後は、エンジニアリングサービス大手タタ・テクノロジーズと石油精製大手ガンダーラの2社が新規上場で急騰、上げをけん引した。

 週末1日は4日続伸。インドの7-9月期GDP伸び率が前年比7.6%増と、市場予想(6.8%増)を上回ったことや、11月日経インド製造業PMI(購買担当者景気指数)が56.0と、前月の55.5を上回り、好不況の分かれ目である50を29カ月連続で上回ったことが好感され、買いが優勢となった。また、SENSEX指数の時価総額が初めて4兆ドルに達した。

 今週(4ー8日)のインド市場は中東紛争やウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュース、インド準備銀行(中銀)の金融政策決定会合(8日)も注目される。主な経済指標の発表予定は5日の11月日経インド製造業PMI(購買担当者景気指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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