来週の東京外国為替市場見通し=日銀金融政策決定会合で日米の金融政策スタンスを比較

国内市況

為替

2023/12/15 16:45

予想レンジ:1ドル=140円00銭-144円00銭

 12月11-14日のドル・円は下落した。週初11日、一部報道が日銀はマイナス金利解除を急ぐ必要はないとの認識だと報じ、日銀の金融政策の早期正常化観測が後退し円売りが強まった。12日、米11月CPI(消費者物価指数)はおおむね市場予想通りながら、FRB(米連邦準備制度理事会)の早期利下げ観測を若干弱める内容で、ドル・円は上昇。13日、FOMC(米連邦公開市場委員会)は3会合連続で政策金利を据え置き。参加者の政策金利予測から24年に3回の利下げの可能性が示唆されたほか、パウエルFRB議長が利下げタイミングを議論したことを明かし、米長期金利が急低下してドル売りに傾いた。14日、米長期金利が4%台を割り込み、下落が継続。なお、同日開催されたECB(欧州中央銀行)理事会は政策金利を据え置き、ラガルドECB総裁が会見で利下げをけん制したことから、ユーロが対ドルで急伸した。

 ハト派色の濃いFOMCを経て、市場ではFRBの利下げ時期を探る動きが一段と強まっており、ドル・円は当面、上値の重い推移を余儀なくされそうだ。目先は18-19日に開催される日銀金融政策決定会合が最大の焦点。

 先ごろの植田和男日銀総裁による「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」との発言を受け、日銀の金融政策には正常化観測がくすぶる。長短金利操作(イールドカーブコントロール、YCC)撤廃やマイナス金利解除に向けた動きが示されれば、日米金利差縮小観測からドル・円には一段と下押し圧力がかかりそうだ。日銀金融政策決定会合を通過後は、米経済指標を見定める動きが続く。米11月中古住宅販売件数、米12月コンファレンスボード消費者信頼感指数、米7-9月期GDP(国内総生産)確報値、米11月PCE(個人消費支出)デフレーターなど重要経済指標の発表が相次ぎ、FRBの金融政策に及ぼす影響をうかがいながらの相場展開となる。

 ドル・円はチャート上で、200日移動平均線の1ドル=142円50銭近辺をはさんだ推移を予想。下方向ではフシ目の1ドル=140円を維持できるかが焦点となる。

提供:ウエルスアドバイザー社

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