<新興国eye>前週のインド株、リライアンスやIT企業の好決算を受け反発=BRICs市況

新興国

2024/1/15 8:58

 前週(8-12日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の12日終値は前日比1.18%高の7万2568.45、週間ベースでは5日終値比0.75%高と、反発した。

 週明け8日は指数が下落。翌9日は反発、11日まで3日続伸した。

 週前半は、米3月利下げ観測が後退し、海外株安となる中、インド市場でも売りが優勢となった。なかでも主要企業の23年10-12月期決算が消費低迷で冴えなかったことを受け、ヘアケア大手マリコや日用品大手ゴドレジ・コンシューマー・プロダクツなどの消費関連株と金融株が急落、下げを主導。その後は、海外株高を受け、買いが優勢となった。また、自動車大手バジャージ・オートが急騰、上げを主導、400億ルピー相当の自社株買いを決めたことが背景。ただ、銀行株が売られたため、上値は重くなった。

 週後半は、引き続き、買いが優勢となったが、米12月CPI(消費者物価指数)の発表を間近に控え、積極的な買いが抑えれたため、上値は重くなった。個別銘柄では複合企業大手リライアンス・インダストリーズとHCLテクノロジーズ、ICICI銀行が買われ、上げをけん引、相場を下支えした。リライアンスの急騰は米証券大手ゴールドマン・サックスが同社の目標株価を2885ルピーに引き上げたことが背景。その後は、アジア市場が堅調となり、インド市場でも買いが強まった。リライアンスが引き続き、続伸、過去最高値を2日連続で更新。また、営送電大手パワー・グリッドなどエネルギー株も上昇、上げを主導した。

 週末12日は急騰、4日続伸。主要企業の四半期決算が予想を上回ったことを受け、景気懸念が後退、買いが優勢となった。なかでも、ソフト輸出大手タタ・コンサルタンシー・サービシズやインフォシスなどのIT株や、パンジャブ国立銀行(PNB)、インド海外銀行、インド中央銀行、インドステイト銀行(SBI)などの国営銀行が上げをけん引。インフォシスは四半期ベースで新規受注が急増したことが好感された。

 今週(15-19日)のインド市場は中東紛争やウクライナ戦争、中東・紅海でのイエメン武装勢フーシ派による船舶攻撃、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニューも注目される。主な経済指標の発表予定は15日の12月WPI(卸売物価指数)など。

<関連銘柄>

インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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