<新興国eye>前週のブラジル株、予想上回る米12月CPIの発表を受け続落=BRICs市況

新興国

2024/1/15 8:58

 前週(8-12日)のブラジル株式市場は12日のボベスパ指数が前日比0.26%高の13万0987.7、週間ベースでは5日終値比0.78%安となり、続落した。

 週明け8日は指数が上昇。翌9日は3営業日ぶりに反落、11日まで3日続落した。

 週前半は、コモディティ(国際相場商品)の下落を受け、国営石油大手ペトロブラスと鉱山大手ヴァーレが下落したものの、コモディティ価格の下落はインフレ圧力を低下させるとして、金利敏感株が買われ、上げをけん引、相場を下支えした。また、ブラジル中銀の経済週報で24年実質GDP伸び率の見通しが前週予想の1.52%増から1.59%増に引き上げられたことも支援材料となった。その後は、米3月利下げ観測が後退したことや、米12月CPI(消費者物価指数)とブラジル国内の12月IPCA(拡大消費者物価指数)の発表を間近に控え、積極的な買いが抑えられたため、売りが優勢となった。

 週後半は、引き続き、金融政策の先行きを占う米12月CPIと国内の12月IPCAの発表を控え、市場では警戒感が強まり、売りが強まった。その後は、米12月CPIが発表され、全体指数が前月比0.3%上昇に加速、市場予想(0.2%上昇)も上回ったことを受け、米3月利下げ観測が後退、売りが一段と強まった。ただ、ブラジルの12月IPCAは同0.56%上昇に加速したが、前年比は4.62%上昇と、物価目標のレンジ内にとどまったため、国内の利下げペースは維持されるとの見方が広がり、下値は限られた。

 週末12日は4営業日ぶり反発。米12月PPI(生産者物価指数)が前月比0.1%低下と、2カ月連続で低下したことを受け、米3月利下げ観測が復活したことが好感され、買いが優勢となった。FOMCが政策金利を変更する確率を示すCMEのFedWacthツールで、3月利下げ確率は前日の66.3%から約78%に上昇している。

 今週(15-19日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、中東・紅海でのイエメン武装勢フーシ派による船舶攻撃、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策なども注目される。主な経済指標の発表予定は16日の11月サービス業成長率や17日の1月IGP-10インフレ指数(23年12月11日-24年1月10日まで物価変動指数)と11月小売売上高など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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