<新興国eye>ムーディーズ、トルコのソブリン格付け見通しをポジティブに上げ―金融政策変更を評価

新興国

2024/1/19 8:44

 米信用格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは先週末(12日)、トルコのソブリン格付け(長期発行体格付け)に対する見通し(アウトルック)を「安定的」から格上げ方向で見直す可能性がある「ポジティブ」に引き上げた。

 ただ、格付けはB3に据え置いた。B3はジャンク級で、投資適格級を6段階下回っている。22年8月にB2からB3に1段階引き下げられている。

 アウトルックの引き上げ理由について、ムーディーズは、「インフレ率(全体指数)は短期的にさらに上昇する可能性が高いが、インフレの動向が変わり始めている兆候がある。これは(トルコ中銀の)金融政策が信頼性と有効性を取り戻していることを示している」とし、インフレ抑制のための利上げサイクルへの転換を「伝統的な金融政策への回帰」と評価している。

 また、ムーディーズは、「金融引き締め(利上げ)はまた、トルコの大幅な対外不均衡の縮小や中銀の外貨準備の再構築の見通しを改善している」とした上で、「どちらも外的ショックに対する国の脆弱性を軽減するだろう」と指摘。

 さらに、ムーディーズは、「金融政策の顕著な変更により、現在、非常に高いインフレ率をより持続可能な水準に引き下げる見通しが大幅に改善する」とした上で、「23年6月以降、トルコ中銀が政策金利を42.5%まで34ポイント引き上げており、短期的にはさらに引き締める可能性がある」としている。

 インフレ見通しについて、ムーディーズは、最新の23年12月のインフレ率は前年比64.8%上昇だが、「24年下期に緩やかになり始め、年末までにインフレ率は約45%上昇に達し、その後、高水準が続く」と予想している。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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