米12月住宅着工件数、前月比4.3%減の146万件―市場予想上回る

経済

2024/1/19 9:10

<チェックポイント>

●12月の減少は悪天候が一因で一時的との見方

●許可件数は増加に転じる―市場予想も上回る

●建築中件数は減少―10-12月期GDPの押し下げ要因に

 米商務省が18日に発表した23年12月の住宅着工件数(季節調整値)は、年率換算で前月比4.3%減の146万件と4カ月ぶりに減少したが、市場予想の平均値である142.5万件を上回った。また、前年比は7.6%増と、2カ月連続で前年水準を上回った。過去分は、11月分が152.5万件(従来発表は156万件)、10月分が137.6万件(同135.9万件)と、10-11月を併せると1.8万件の下方改定となった。

 市場では、住宅ローン金利の低下で住宅購入者のアフォーダビリティー(住宅取得能力)が改善しているため供給も拡大するとの見方を変えず、12月の着工件数が減少したのも雨天が多かったためで一時的なものとなる可能性が高いとみている。

 内訳は、主力の一戸建てが前月比8.6%減の102万7000件と4カ月ぶりに減少したが、23年では2番目の多さ。また、月毎に変動が激しいアパート(5世帯以上)は前月比7.5%増の41万7000件と堅調な伸びを維持した。

 先行指標である建築許可件数は前月比1.9%増の149万5000件と増加に転じ、市場予想の147.7万件を上回った。内訳は、主力の一戸建てが前月比1.7%増の99万4000件と11カ月連続で増加、アパート(5世帯以上)は同1.4%増の44万9000件と増加に転じた。

 一戸建てのバックログ(受注残)は、前月比0.7%増の14万件、アパートは同11.1%減の12万1000件となり、全体では同5%減(同8.9%減)の26万6000件となった。

 建築許可が下りたあとの建築中件数は、一戸建てが前月比1.2%減の67万1000件と減少に転じた。アパート(5世帯以上)は同0.2%増の99万1000件と増加に転じたが、全体では同0.4%減の167万9000件となった。

 23年10-12月の建築中件数の月平均は168万1000件となり、7-9月の月平均(169万件)を下回ったことから、24年1月25日発表予定の10-12月期GDP(国内総生産)速報値の住宅投資部門を押し下げる見通し。

 一戸建ての完成住宅件数は前月比8.4%増の105万6000件と増加に転じたうえ、アパート(5世帯以上)は同11.1%増の50万9000件と急増し、全体では同8.7%増の157万4000件となった。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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