<新興国eye>前週のロシア株、原油安や海外株安、利食い売りを受け4週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2024/1/22 9:01

 前週(15-19日)のロシア株式市場で、RTS指数(ドル建て)の19日終値は前日比0.45%高の1130.05、前週比では12日終値比0.50%安と、4週ぶりに反落した。

 週明け15日は指数が上昇、翌16日は9営業日ぶりに反落、18日まで3日続落した。

 週前半は、通貨ルーブル高が好感され、買いが優勢となった。ただ、ブレント原油先物が1バレル当たり87.6ドルに後退したため、上値は重かった。個別銘柄では国営ダイヤモンド生産最大手アルロサとイーコマース(電子商取引)最大手オゾンが買われ、上げをけん引。

 その後は、原油価格が78ドル割れまで急落したことや、海外株安が嫌気され、売りが優勢となった。原油安はECB(欧州中央銀行)やオーストラリア準備銀行(RBA、中銀)の幹部が24年末まで利下げせず、金利を据え置くとの見通しを示したため、世界景気の後退懸念が強まったことが背景。また、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。

 週後半は、原油価格が77ドル近辺まで続落したことや、海外株安、ルーブル安が嫌気され、売りが一段と強まった。また、重要な貿易相手国である中国の23年10ー12月期GDP伸び率が前月比5.2%増と、市場予想(5.3%増)を下回ったことも売り材料となった。その後は、海外市場や原油価格が冴えず、利食い売りが強まった。ロシア中銀が発表した23年全体の貿易黒字が前年比62%減となったことも売り材料となった。

 週末19日は小反発。ルーブル高となったことや、原油価格が79.4ドルに回復したことが支援材料。

 今週(22-26日)のロシア市場は引き続き、中東紛争やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、中東・紅海でのイエメン武装勢フーシ派による船舶攻撃、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える24日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や25日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は24日の12月WPI(卸売物価指数)など。指数は1100-1180のレンジの動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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