<新興国eye>前週のインド株、中国の予想下回る10-12月期GDPなどを受け反落=BRICs市況

新興国

2024/1/22 9:02

 前週(15-20日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の20日終値は前日比0.36%安の7万1423.65、週間ベースでは12日終値比1.58%安と、反落した。

 週明け15日は指数が上昇。翌16日は6営業日ぶりに反落、18日まで3日続落した。

 週前半は、IT大手のHCLテックとウィプロが急騰、上げを主導した。両社とも23年10-12月期決算で利益が市場予想を上回ったことが背景。その後は、売りが優勢となった。前日、急騰したITセクターが利益確定売りで下落したほか、中国の23年10-12月期GDP伸び率の発表を控え、積極的な取引が抑えられた。また、指数の構成ウエートが高い複合企業大手リライアンス・インダストリーズが下落、下げをけん引。

 週後半は、海外株安となったことや、市場が注目した中国の10ー12月期GDP伸び率が前月比5.2%増と、市場予想(5.3%増)を下回ったことが嫌気され、売りが優勢となった。また、HDFC銀行の四半期決算が予想を下回り、8%超急落、金融株の下げをけん引。その後は、引き続き、予想を下回る弱い決算となったITと金融の各セクターが売られ、下げを主導。なかでもIT大手LTIマインドツリーが予想を下回る10-12月期決算の発表を受け、11%急落した。

 週末19日は自律反発。売り込まれたITと金融の各セクターで安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。なかでもICICI銀行とアクシス銀行が決算発表前から急騰。IT企業も重要な市場である米国の経済の堅調さを反映、底堅い動きとなった。セメント関連大手ウルトラ・テック・セメントも10-12月期決算が好調となり、急騰、上げをけん引。

 また、臨時取引が行われた20日は反落した。週末の薄商いや、海外要因で手掛かり材料となる中、送電大手パワー・グリッドや電力大手NTPC、アクシス銀行、ICICI銀行、インドステイト銀行(SBI)、医薬品大手サン・ファーマシューティカル・インダストリーズ、宝飾品大手タイタンが上昇したが、後場にかけ、消費財大手ヒンドゥスタン・ユニリーバ(HUL)とリライアンスが下げをけん引、前場の上昇分を消した。

 今週(23-25日)のインド市場は中東紛争やウクライナ戦争、中東・紅海でのイエメン武装勢フーシ派による船舶攻撃、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定はない。22日は20日の臨時取引の影響で振替休場、また、26日は「共和国建国記念日」の祝日のため、休場となる。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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