来週の東京外国為替市場見通し=各国の金融政策決定会合に関心、春節前の手じまいにも注意

国内市況

為替

2024/2/2 16:48

予想レンジ:1ドル=144円60銭-148円80銭

 1月29日-2月1日のドル・円は下落した。週明け1月29日は、米財務省が1-3月期の借入額予想を下方修正したことで債券需給の悪化懸念が後退、米長期金利の低下を受けてドル売りが先行した。30日は米12月雇用動態調査(JOLTS)の求人件数が市場予想を上回ったため戻りを試したものの、翌31日は米1月ADP(オートマチック・データ・プロセッシング)雇用統計が市場予想を下回り、ドル売りに傾いた。その後、FOMC(米連邦公開市場委員会)では政策金利が据え置かれ、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が会見で次回3月会合での利下げに慎重な姿勢を示したため、2月1日の東京時間にかけてはドルが買い戻されたが、米国時間は米新規失業保険申請件数が市場予想よりも多かったことからドル売りに転じた。

 まずは2日の米1月雇用統計が注目となる。FOMCを受けて米早期利下げ観測は後退しているが、週内は弱い米雇用関連指標が目立ったためドル・円の上値は重かった。米雇用統計が市場予想を大幅に下回るようなことでもない限り、3月利下げ観測が強まるようなことにはならないだろうが、市場予想通りとなればドル・円の上値を抑えそう。一方で市場予想よりも強い内容となればサプライズとなり、ドル・円も反発が予想される。

 日米欧の主要中銀による金融政策決定会合が一巡し、動きやすくもなるが、来週(5-9日)はRBA(豪準備銀行)理事会があるほか、新興国を中心に複数の金融政策決定会合が予定されている。日銀によるマイナス金利解除などの政策変更に対する思惑が根強い中、各国の中銀が金融緩和の動きを鮮明にするようなら、クロス円の下落がドル・円に波及することもありそうだ。

 経済指標では、米国で1月ISM非製造業景気指数や12月貿易収支などがあるが、中国の1月CPI(消費者物価指数)やPPI(生産者物価指数)なども注目される。その中国では週末9日から春節に伴う大型連休に入るため、手じまいの動きには警戒しておきたい。

 ドル・円の上値メドは1月高値の148円80銭近辺。下値メドは200日移動平均線の144円60銭近辺。

提供:ウエルスアドバイザー社

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