米1月雇用統計、非農業部門雇用者数は35.3万人増―市場予想上回る

経済

2024/2/5 8:03

<チェックポイント>

●平均時給も市場予想上回る―失業率は低下

●建設業やヘルスケアなどがけん引

●市場は24年も15万人以上の増加続くと予想

 米労働省が2日に発表した1月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比35万3000人増となり、市場予想の平均値である18.5万人増を大幅に上回った。過去分についても、12月分が21.6万人増から33.3万人増、11月分が10.5万人増から16.5万人増にそれぞれ上方改定されており、伸びは3カ月連続で加速した。

 失業率は12月と同じ3.7%で、市場予想の3.8%を下回った。ただ、FRBが重視している27週間以上の長期失業者数の割合は20.8%(127万7000人)と、12月の19.7%(124万5000人)から2カ月連続で上昇しており、雇用市場が弱まる兆しを示している。

 平均時給は前月比0.6%増の34.55ドルと、12月の0.4%増から加速し、市場予想の0.3%増を上回った。前年比では4.5%増(市場予想は4.1%増となり、FRBが好ましいとしている3%増を大きく上回っている。一方、労働時間は34.1時間と、12月の34.3時間や市場予想の34.4時間を下回った。需要が落ち着くと従業員の勤務時間は減る傾向にある。

 セクター別でみると、建設業の堅調な伸びのほか、成長産業である医療分野のヘルスケアが大きく増加したことがけん引した。

 製造業は前月比2万3000人増(12月は8000人増)。このうち、自動車・同部品製造業は同3100人増(同2500人増)、建設業は同1万1000人増(同2万4000人増)だった。建設業の増加は、住宅ローン金利の低下で住宅需要が回復していることが背景にあるとみられる。

 サービス業は前月比28万9000人増(12月は24万5000人増)だった。このうち、小売業は同4万5200人増(同4万3200人増)、運輸・倉庫業は同1万5500人増(同1600人増)、レジャー・接客業は前月比1万1000人増(同3万8000人増)、専門・ビジネスサービス業は同1万3000人増(同1万9000人減)など。医療分野のヘルスケアは同10万400人増(同7万9300人増)と、最も高い伸びとなった。

 部門別では、民間部門(事業所統計)が前月比31万7000人増(12月は27万8000人増)、政府部門が同3万6000人増(12月は5万5000人増だった。

 なお、今回の統計では23年全体の雇用者数が見直されており、23年全体の雇用者は292万7000人増と、22年の475万9000人増を下回った。

 市場では、24年も毎月の雇用者数の伸びが景気回復が持続安定的に進むとされる15万人以上となる可能性が高いとみている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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