<新興国eye>ポーランド中銀、予想通り金利据え置き―4会合連続

新興国

2024/2/9 8:46

 ポーランド中銀は7日の金融政策委員会で、ディスインフレ(物価上昇率の低下)が続いているものの、将来、インフレ再加速リスクがあるとして、主要政策金利の7日物レファレンス金利を5.75%に据え置くことを決めた。また、中銀はロンバート金利と再割引金利、公定歩合、預金金利もそれぞれ6.25%、5.80%、5.85%、5.25%と、いずれも据え置いた。市場の予想通りだった。

 中銀はコロナ禍後のインフレ急加速を受け、21年10月会合で9年5カ月ぶりに利上げに転じ、22年9月会合まで計11会合連続で利上げを継続。利上げ幅が計6.65ポイントに達したことから、翌10月会合で据え置きに転じた。23年7月会合まで10会合連続で据え置いたが、同9月会合で3年ぶりに利下げに転換、同10月会合でも利下げを決めたが、同11月会合で据え置きに転換。これで金利据え置きは4会合連続。

 中銀は声明文で、金利据え置きを決めたことについて、前回1月会合時と同様、「ポーランドではディスインフレのプロセス(インフレの低下基調)が続いている」、また、「ポーランド経済は回復が見られるが、(インフレに対する)需要とコストの圧力は依然として低い。弱い経済状況と海外のインフレ圧力の低下が国内インフレの低下を支えている」とし、インフレ低下が持続していることを強調。その上で、「現在の金利水準が中期的に物価目標の達成に寄与する」と述べている。

 ただ、中銀は、「1-3月期はCPI(消費者物価指数)伸び率が大幅に低下する可能性が高いものの、コアインフレ率の低下は鈍化する」、また、「食品に対するVAT(付加価値税)の引き上げが復活、エネルギー価格も上昇した場合、インフレは24年下期に大幅に上昇する可能性がある」とし、インフレ上ブレリスクを指摘、警戒感を緩めていない。

 同国の23年12月のインフレ率は前年比6.1%上昇と、11月の同6.6%上昇を下回り、10カ月連続で伸びが鈍化したが、依然、物価目標の2倍超となっている。

 その上で、中銀は今後の金融政策について、前回会合時と同様、「インフレ率を中期的に物価目標にまで引き下げ、マクロ経済と金融の安定を確保するために必要なあらゆる措置を引き続き講じる」としている。

 市場ではインフレ再加速懸念を緩めていないことから今後も政策金利を現在の高めの水準に据え置くと見ている。利下げ転換の時期については早ければ今年後半を予想している。

 次回の会合は3月6日に開かれる予定。

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 上場EM債<1566.T>、上場MSエマ<1681.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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