<新興国eye>前週のブラジル株、鉱山ヴァーレ急騰、堅調な米経済指標や市場受け続伸=BRICs市況

新興国

2024/2/19 8:57

 前週(14-16日)のブラジル株式市場は16日のボベスパ指数が前日比0.72%高の12万8725.88、週間ベースでは9日終値比0.55%高となり、続伸した。

 週明け12日と翌13日はカーニバルのため、休場。取引が再開された14日は指数が下落、翌15日は5営業日ぶりに反発した。

 週前半は、カーニバルのため、休場となった。

 週後半は、休み明け後、取引が再開され、米1月CPI(消費者物価指数)の全体指数とコア指数がいずれも市場予想を上回ったため、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ開始時期が今年後半に遅れる見通しが強まったことが嫌気され、海外株安となり、ブラジル市場でも売りが優勢となった。

 その後は、米株市場がAI(人工知能)ブームに乗ったグラフィック・プロセッサ(GPU)大手エヌビディアが急騰、時価総額でオンライン小売り大手アマゾンを抜いて4位になったことが好感され、買いが優勢となった。また、米1月小売売上高や12月企業在庫などの経済指標が堅調となったことも米経済の強さを示すとして、支援材料となった。

 週末16日は続伸。鉱山大手ヴァーレが急騰、上げをけん引した。また、ブラジルの失業率が23年10-12月期にリオデジャネイロ州(10.9%から10%)とリオグランデ・ド・ノルテ州(10.1%から8.3%)で低下したことも好感された。ただ、米1月PPI(生産者物価指数)が前月比0.3%上昇と、市場予想(0.1%上昇)も上回ったため、FRBが利下げを開始する前に、今年前半に利上げを再開するとの懸念が強まり、上値が重くなった。

 今週(19-23日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、中東・紅海でのイエメン武装勢フーシ派による船舶攻撃、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策なども注目される。主な経済指標の発表予定は19日のGDP伸び率の先行指標となっている12月IBC-Br(経済活動指数)や23日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)2月消費者信頼感指数など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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