<新興国eye>前週のインド株、1月インフレ率低下や外国人投資家の買い越しに反発=BRICs市況

新興国

2024/2/19 8:56

 前週(12-16日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の16日終値は前日比0.52%高の7万2426.64、週間ベースでは9日終値比1.16%高と、反発した。

 週明け12日は指数が下落。翌13日は反発、15日まで3日続伸した。

 週前半は、1月CPI(消費者物価指数)の発表を控えて積極的な買いが抑えられる中、利益確定売りが強まった。特に、自動車向け金属加工大手バーラト・フォージが今期と24年通期の業績通しが冴えなかったことや、電力大手タタ・パワーも四半期決算が軟調となり、さらには格安航空大手スパイスジェットも従業員1400人の削減を計画していることが嫌気されて急落、下げをけん引した。

 その後は、1月CPIの伸びが前年比5.1%上昇と、3カ月ぶりの低い伸びとなったことや、株価指数プロバイダーモルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)が算出するMSCIインド株価指数の構成銘柄にインド株5銘柄が追加されたことが好感され、買いが優勢となった。また、アルミ大手ヒンダルコ・インダストリーズが急騰、上げを主導。ヒンダルコ傘下のノベリスがベイミネット工場への設備投資額を従来見通しの27億-28億ドルから41億ドルに大幅増額したことが好感された。

 週後半は、米1月インフレ率が予想を上回ったことを受け、海外株安となったものの、インド国内ではインドステイト銀行(SBI)や国営石油ガス公社(ONGC)などの国営企業が買われたほか、IT専門商社ラシ・ペリファーラルズが新規上場で公開価格を大幅に上回ったこと、さらにはアルミ大手ナショナル・アルミニウム・カンパニー(NALCO)の四半期決算が好調となったことを受けて急騰、上げを主導した。また、23年10-12月期の外国人投資家の買い越し額が前期比13%増の7380億ドルとなったことも支援材料となった。

 その後は、インド石油・天然ガス開発大手オイル・インディアが今後3-5年間で利益が拡大するとの見通しで急騰、また、自動車大手マヒンドラ・アンド・マヒンドラも好調な四半期決算を受けて急騰、上げをけん引した。

 週末16日は4日続伸。アジア株が堅調となったことを受け、インド市場でも買いが一段と強まった。また、スパイスジェットのアジェイ・シン会長兼CEO(最高経営責任者)が経営破たんしたゴー・ファースト航空の買収に乗り出したことを受け、急騰、上げをけん引。ただ、石油天然ガス公社MRPL(マンガロール・リファイナリー・アンド・ペトロケミカルズ・リミテッド)とチェンナイ・ペトロは原油価格の急騰に対するウィンドフォール・タックス(臨時利得税)の引き上げが嫌気され、急落したため、上値は重くなった。

 今週(19-23日)のインド市場は中東紛争やウクライナ戦争、中東・紅海でのイエメン武装勢フーシ派による船舶攻撃、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定はない。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ