エージーピーの大貫哲也社長:第3四半期決算説明会で語る今後の成長戦略

株式

2024/2/20 9:30

 エージーピー<9377.T>が2月2日、24年3月期第3四半期累計の決算説明会動画を公開し、代表取締役社長の大貫哲也氏が今後の戦略を語った。

 24年3月期第3四半期累計は売上高92億9100万円(前年同期比17.0%増)、営業利益は6億6800万円(同3.7倍)。運航便数の増加と空港内の業務量の増加により、両輪の「動力供給事業」、「エンジニアリング事業」が堅調に推移する中、大幅増益を達成。これを踏まえ、通期の業績予想について、「売上高を従来の125億8000万円から128億4000万円(前期比16.3%増)に、営業利益を6億8000万円から9億8000万円(同85.7%増)にそれぞれ引き上げた」(大貫社長)

 24年3月期第3四半期累計はセグメント別に、「動力供給事業」は売上高41億6300万円(前年同期比30.8%増)、営業利益7億7800万円(同4.7倍)。航空需要の回復に伴う電力供給機会の増加に加え、4月利用分より原材料費の変動に応じた価格転嫁により売上が伸長。一方、「エンジニアリング事業」も、売上高44億9100万円(同10.2%増)、営業利益8億6500万円(同13.5%増)と堅調に推移。空港内の特殊機械設備の保守業務需要が高まったことに加え、空港外ではEC物販市場の堅調な伸びを受けて物流倉庫関連設備に係る業務に継続して取り組んだことにより売上が伸長。「商品販売事業」は、介護・福祉施設へのカート販売が増加している一方で、AGPでんきサービスを23年2月に終了したこと等により売上が減少。営業損益は赤字が継続している。

 中期経営計画で掲げるのは、「ESG経営を推進」し、「成長の実現」と「戦略投資と還元の両立」を行うというメッセージ。「成長の実現」に関して、EMS(エネルギーマネジメントシステム)により空港の電力量の最適化を目指す。24年3月期第3四半期では、同社が開発したバッテリー駆動式GPU(地上動力設備)を「Be power.GPU」として商標登録を実施。2月中に初号機を本邦エアラインへ納品予定。「環境×電気×DX」による新たなビジネススキームの構築については、空港車両のEV化や充電設備の普及に取り組んでいるものの、事業検討段階。物流保守サービスは、小規模物流センターのシステム構築支援事業を展開中。「還元」については、今期業績予想の上方修正に伴い増配を決定。期末配当予想を従来の15円から20円に引き上げ、年間35円(前期は30円)とした。

 安定した利益の確保と低採算事業の事業性評価やビジネスモデルの見直しと新たな成長事業への経営資源の再配分という『選択と集中』、新規の市場(海外・地方)、新規の産業(物流保守)への参入、新商材の拡充、多角化を推し進める『事業基盤のシフト』、「組織体制の整備」、「事業運営管理の適正化」、「中長期的な企業成長に向けて適正な財務基盤の構築」により経営基盤の強化を推し進める『経営基盤の強化』を経営戦略の3本の柱として遂行していく方針。

最後に大貫社長は、24年4月1日に新社長として杉田武久氏が就任することを案内した。杉田氏は入社以来40年間に渡り主力事業に対する深い知見を身に着けており、同社が直面する事業環境の変化を的確に捉えながら中期計画で謳う3つの成長領域、新規事業への挑戦や、上場の継続を必ず形にすると締めくくった。

提供:ウエルスアドバイザー社

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